今日(6/29)の日本経済新聞に【採用の経歴調査どこまで】という標題の記事が掲載されていました。見出しは【企業の導入加速、最高裁判決決定を機に】【調査範囲は法令で制限】と続きます。新卒採用市場が活況を呈する一方で、中途採用市場も急速に拡大しています。その意味で本記事は一読の価値が高いと思います。
裁判は中途採用をされる予定だった男性に経歴詐称が強く疑われた為に、会社が採用通知を取り消したことの正当性を争ったものです。東京地裁、東京高裁、最高裁のいずれも会社側の主張を認めました。原告は従前に務めていた複数の会社でトラブルを原因に解雇や雇止めにあっていたようです。にも関わらず履歴書にはその記載が欠落していました。
会社はバックグランドチェックという手法で採用予定の男性の経歴を調査しました。労働基準法第22条第4項では、退職事由が何であれ、「労働者の就業を妨げることを目的として」、国籍や信条等に係る第三者からの問合せに関し、前会社は安易に答えてはならないという制限を掛けています。また個人情報の第三者提供に当たることもあり、本人の同意が必要という観点からも第三者からの問合せに応答することは不適切だと言えます。
しかし本記事では「在籍確認に応じる企業は50~60%」とあります。「在籍していたか否か」の問合せですから、応答した企業は法令違反等には当たらないと考えているようです。しかし先に上げた労基法違反や個人情報保護法、職業安定法などの法令に抵触する恐れがある問合せについては絶対に応じないようにしたいものです。
なお即戦力としてまた幹部社員として期待する者に対して、会社は経歴詐称が無いか否かについて、何らかの担保を取りたいものです。私はバックグランドチェック(前職調査)は実施すべきだと思います。経営者等が時間と労力等を費やした採用した社員がブラック社員だったとすると目も当てられません。
入社までにしっかりとしたチェックをすることは会社と既存社員を守る為には必要不可欠だと思います。調査会社を使う、またネットで情報を取得する、採用予定者本人の同意を経た上で前職の会社に問合せをする等、違法行為とならない範囲内で事前調査を行うべきだと思うのです。
