今日(6/4)日本経済新聞に興味深い記事が掲載されていました。【医療費2割負担の年齢 70代の3割、上げ賛成 健保連調査】という見出しの記事です。大企業等の社員等を被保険者とする健康保険組合連合会の調査の結果を掻い摘んで記事にしています。
日本の医療保険制度は満75歳を境目に大きく変わります。満75歳未満では協会けんぽや国民健康保険、健康保険組合などに全員が加入します。日本の医療保険制度は世界に類を見ない優れた保険制度です。保険料は所得等の区分に応じて公平に負担し、医療施設の窓口では掛かった医療費の3割を支払えば良いことになっています。ただし70歳から74歳までの窓口負担額は原則2割です。
満75歳以上からは後期高齢者医療制度に全員が加入します。全員加入ですから、74歳までに加入していた保険制度から強制的に脱退させられ、新たに都道府県が運営する後期高齢者医療広域連合に加入することになります。被保険者の窓口負担は原則1割です。
日本では出生数が急減し、一方で65歳以上の高齢者人口が増え続けています。75歳以上の人口も増えていますので、当然ながら75歳以上の医療費も増えています。この医療費の負担は1割が65歳以上の被保険者、4割が現役世代からの送金、残り5割は公費で賄うというルールです。健康保険組合や協会けんぽの加入者は自分達の保険料負担以外に、75歳以上の高齢者の医療費も負担しているのです。
その為に、大手企業が組織運営している健康保険組合の保険料率は上昇しつづけ、収支計算では赤字の組合が増え続けています。現役世代の負担を増やさない方法の1つとしては、75歳以上の窓口負担率を上げていくことです。現在の原則1割負担を原則2割負担に引き上げる等の対策も必要でしょう。現状でも所得水準によっては2割負担であったり、3割負担になったりする場合もあります。
記事によれば、60歳代、70歳代、80歳代共に、負担割合を原則3割とすることに反対する割合が賛成とする割合を上回ったようです。自分の負担が増すのは誰でも嫌です。しかし日本の医療保険制度は共助が原則となっています。総額医療費の上昇をくい止めるか、又は窓口負担を増やすか等など様々な対策を組み合わせて対処しなければ、後期高齢者医療制度そのものが壊滅する可能性もあることに気が付いて欲しいものです。
