· 

衆議院総選挙が始まりました。消費税減税は本当に正しいのか???

 衆議院総選挙が始まりました。この時期に何故?、という思いがしますが、衆議院が解散し総選挙するというのは事実ですから、国民の義務として一票を投じたいと思います。与野党含めて、減税の大合唱です。ある政党のみ「消費税は現状維持」という主張をしていますが、外は全て減税です。

 今日の日本経済新聞に消費税を減税した時の税収減の数字が記載されていました。①食料品のみ0%とすると4.8兆円の減収となります。②全て一律5%にすると15.3兆円の減収、③廃止すると31.4兆円の減収となるそうです。②と③の数字には少し違和感を感じます。何故かというと、令和8年度の政府予算案では基幹3税の歳入見込み額のうち、消費税は26.7兆円となっているからです。ちなみに、所得税は25.3兆円、法人税は21兆円です。

 仮の話ですが、消費税全廃をしたら税収27兆円弱が消えてしまいます。とすれば、歳出(支出)を減らすしかありません。何を減らすのでしょうか。減らす対象項目をしっかりと説明して欲しいものです。減らさないとすれば国債発行で税収不足を賄うのでしょうか。また大企業や富裕層への課税を強化すれば良いという声もあります。それで十分な税収が確保できるのでしょうか。

 法人税について考えてみましょう。実効税率を25%とすると、課税前の利益は84兆円(21兆円÷0.25)となります。法人のうち赤字企業の割合が7割位あるらしいので、うち2割程度が黒字転換して納税ができるようになったとします。こうして税引き前利益が100兆円に達したとしても、法人税は25兆円でしかなくわずか4兆円増えるだけです。もし税率を30%に引き上げるとする法人税は30兆円となるので、令和8年度予算比で9兆円の増収です。それでも消費税率一律5%とした時の税収減15兆円に対し6兆円も不足します。

 日本国の将来を真摯に検討し国民に訴えたいのであれば、国民受けの良い減税だけを打ち出すのではなく、増税の可能性を示唆したり、現在の支出を減らす対策についても公約に入れなくてはいけないでしょう。甘い誘いに乗ってはいけないのです。今回の総選挙で私達が真剣に考えなければならないのは、国民が負担する義務や痛みをしっかりと伝えている候補者は誰かということだと私は思うのです。