1月15日付の日本経済新聞一面の[春秋]欄に「72の法則」についてのコメントが書かれていました。72の法則をご存知の方も多いと思います。資産運用を考えるときに、何%の利率であれば、X年後に資産価値が2倍になるかを簡単に計算できるというものです。
事例を示してこの法則を理解してみましょう。利殖は単利ではなく複利で増加すると考えます。仮に利率が5%だと、72を5で割った14.4年(72÷5)で現在の持ち金が2倍になるのです。この法則は概ね当たっています。実際、私も経験しました。息子が誕生した1990年(平成2年)に私は100万円を息子の為に金融機関に預けました。当時の預貯金金利は7%でした。10年後に預貯金残高は200万円となっていました。72÷7=10.3年が実現していたのです。
ところで[春秋]では、72法則の活用について、利殖ではなく物価上昇の観点から言及していました。日本社会はデフレが終焉しインフレの世界に復活しました。現在のインフレ率3%を72の法則に適用すると、24年後(令和32年)には物価が2倍(72÷3)となっているという計算です。物価が2倍ということは、現在価値が半減(50%)するということです。若しインフレ率2%だと半減は36年後(72÷2)です。
インフレは国家財政に良い(!)影響を与えます。インフレにより売上高等が増えることにより国家税収が増えていきます。現に、法人税や所得税、消費税の基幹3税が伸びているようです。なおインフレによる国債利払いも増えますが、増収効果が利払い増加のデメリットを打ち消してしまうのです。
またインフレは庶民の預貯金の残高を国家に移動させてしまう効果も発生させてしまいます。インフレにより預貯金残高が時間的に目減りするのですから、インフレ亢進は庶民は早々に買い物をするエンジンとして働きます。それによって企業は売上が増えて法人税や消費税の増収となる訳です。
まあこんな具合に[春秋]ではインフレ率が及ぼす効果(?)について72の法則を活用して分析しています。法則や理論は活用しないといけないのですね。それも特定分野に限定された法則であっても他分野でも応用することは可能であると証明した[春秋]のコロムでした。
