昨日のニュースで流れていましたが、中国の7月~9月のGDPが物価変動を調整した実質で前年同期比で4.8%の増加となったようです。4月~6月の伸び率は5.2%増でした。不動産市況の不振を起因とする中国経済の減速が鮮明となってきました。
統計は必要とする者によって操作することが可能です。ある特定の数字を殊更に意味があるように解釈したり、統計を構成する諸データの構成を変えたりすることで、恣意的に数字を作り上げることは可能です。中国のGDPを真正なものとして鵜呑みして良いものか、疑問符がついて回ります。
中国は人口14億人超の大国です。23省、4直轄市、5自治区、2特別行政区で構成されています。直轄市でも17百万~29百万人もあります。直轄市だけでも1つの国家のようです。国営・公営企業の他に民間企業も多くなっています。衰退する産業もあればAIやEV関連等急成長している産業もあります。一次から三次までの各産業に従事している従業員総数も膨大です。
中国共産党のみが国家運営に携わっているので、上意下達でGDPの諸データを即座に中央政府に送ることはできるでしょう。しかしあのような大国が僅か20日間でGDPの値が発表できるなんて信じられません。日本政府の内閣府のHPには、7月~9月のGDPは11月17日に1次速報が発表され、12月8日に2次速報が発表すると掲載されていました。ちなみに米国とECのGDP速報値の発表時期をネットで調べてみたら、概ね1か月だそうです。
中国は3週間後に発表し、日本では6週間後(改定は更に3週間後)されます。これらの差は何でしょうか。情報処理スピードの違いもあるでしょうが、統計を作成する当事者の意識の差もあるかもしれません。それにしても中国の発表は僅か20日後と早すぎます。米国やEUと比較してもとても早いです。そこには為政者の都合によって統計値が操作する疑いをぬぐうことができません。それでもなお、中国経済に不況風が強まり始めていることは確かなようです。