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中国、日本の海産物の輸入を再開へ

 中国が日本の海産物の輸入を再開するようです。令和5年に、日本政府が採った東電福島第一原発処理水の海洋放出を理由として日本全国(!)の海産物の輸入を、中国政府はストップしていました。今回は全47都道府県ではなく、福島や新潟(?)、東京都等10都県の再開は今回の対象から外れています。

 科学的根拠のない中国の一方的な海産物輸入ストップ。それに合わせて中国は日本政府の決定に異を唱え、全世界に向けてプロパガンダを繰り返しました。中国の息のかかった一部の海洋国家の賛意を得たようですが、多くの国の支持が得られませんでした。国際原子力機関(IAEA)の査察を受け入れている日本。中国国内では「海産物が危ない」という風評が広がり、水産物の国内消費が冷え込んだそうです。

 中国の輸入禁止措置をする前年令和4年のホタテの国別輸出額は次のとおりでした。中国467億円、台湾111億円、米国78億円、韓国75億円、オランダ53億円。禁輸措置の翌年令和6年は次のように変わりました。米国190億円、台湾121億円、ベトナム106億円、韓国77億円、香港51億円。中国は勿論ゼロです。ベトナムが急増したのは、中国のホタテ加工業者がベトナムに進出して加工工場を建設したからです。

 「覆水盆に返らず」といいます。「元のさやに納まらない」とも言います。中国の屁理屈でホタテ業者は大打撃を受けました。中国がOKと言っても二度と中国に輸出しないでしよう。したとしても極僅かであるに違いありません。共産党一党支配の中国。共産党指導部の意に沿わないことは朝令暮改が茶飯事です。

 日本の海産物業者も馬鹿ではありません。それにしても日本政府や与野党の対中国対応。尖閣列島のことも含めて弱腰の対応が目立ちます。トランプ大統領のように強面の対応をしない限り、国益は守れないということを理解して欲しいものです。