小泉進次郎農相が”頑張って”います。前農相は、コメの店頭価格が上昇気配を強めていたにも関わらず、備蓄米放出等の対応が後手に回っていました。小泉農相はこれを一気に挽回しようと古古古米の随意契約の導入等斬新な施策を打ち出し、少しずつ店頭価格は下がってきているようです。
昨日の石破首相の記者会見で米の店頭価格が5キロで3920円と4000円を切ったことを発表しました。この店頭価格は小売店の店頭での”平均価格”であるとされています。しかし平均という考え方は多様です。今回は単純平均と加重平均について言及したいと思います。
小売店がA、B、Cの3店あるとします。Aの店頭販売価格は4300円、B店は同3500円、C店は2000円とします。一般的に平均価格といった場合は単純平均のことを指します。この例で言うと平均価格は3266円です。計算式は(4300円+3500円+2000円)÷3店です。
3店とも在庫量が全く同じということはあり得ません。そこで在庫量を平均価格に落とし込んでいきましょう。A店の在庫量は50、B店は30、C店は20の合計100あったとします。この試算では平均価格は3600円になります。計算式は(4300円×50+3500×30+2000円×20)÷100です。これを加重平均と言います。この例では加重平均は単純平均より334円も高くなります。加重平均の方が実勢に近いでしょう。
単純平均と加重平均は平均とは言うものの、まったく異なった平均です。よく世帯の金融資産の平均保有額が話題となります。金融資産をほとんど持たない家庭が10%強あるというデータを横に置いて、単身世帯では1500万円、2人以上世帯では1850万円という情報を流されます。????、なんで!。平均値が多くなる理由は保有金額が1億円を遥かに超す(超)富裕層の存在があるからです。数字は使い方によって多様な解釈ができるのです。ちなみに世帯の金融資産では中央値という言葉も使われます。中央値とは世帯数が最も多い区分を指します。この例での中央値は1人世帯500万円、2人以上世帯780万円となります。
話を米の平均価格に戻します。政府が公表している平均価格は単純平均なのでしょうか。又は加重平均なのでしょうか。何れの平均を取っているのかを明らかにしない政府・農水省のやり方は誤魔化しだとしか言えません。メディア、学者、業界関係者、与野党の誰からもその点についての追求がありません。与野党は参議院通常選挙で頭が一杯なのでしょう。データの信頼性を疑う今回のやり方は本当に正しい情報公開と言えるのでしょうか。私は疑問に持って本稿を綴ってみたのです。