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消費税減税を行うことの愚

 通常国会も終盤戦となっています。通常国会が終了すれば参議院通常選挙が控えています。国会議員は落選すればただの人。国会に戻るには当選しないといけません。有権者受けのバラ色に染まった政策をばら蒔いて兎に角票を入れてもらわないといけません。

 そのせいか、またトランプ大統領の関税政策により景気減退が予想されることからか、減税を打ち出す政党が多いこと。ため息が出てしまいます。選挙に勝つことしか考えない政党と政治家。日本の将来をこの人達に任せて大丈夫なのか、本当に心配してしまいます。

 今日の日本経済新聞朝刊の一面で【一時的な消費減税、「不適切」85% 恒久化懸念】を見出しとする記事が掲載されていました。経済学者47人に尋ねた結果を円グラフで示しながら解説しています。「一時的な消費税減税を行うのは適切である」の問に対し「そう思う」が2%、「どちらとも言えない」が13%の人数です。一方否定的な見解である「そう思わない」が57%、「全くそう思わない」が28%で両者を合計すると85%となります。

 私も否定的です。いや絶対にしてはいけないという立場です。経済学者がノーを突き付けている理由は次のとおりです。「消費税を減税すると、元の水準に戻すのが難しくなり財政再建が遠のく」「政治的にはいったん減税すると増税に相当のエネルギーが必要となる」「これまでの消費税率の引上げの歴史を見ても、消費税率を減税後に元に戻すことは困難」「世界的に、債務増加の長期金利への影響を注視するようになっている」「物価高対策としての消費税の減税の効果は限定的で、税収の損失に見合わない」など。

 読者の皆さん方はどう考えますか。どれも「その通り」だと思いますが、私は「~減税すると増税に相当のエネルギーが必要~」に120%で同感します。人は楽した後に苦をみるようなことは絶対に拒否します。政治家は難癖をつけて絶対に!、元の税率に戻すというような”愚行”はしないのです。日本の政治家で腹の座った人はいないのでしょうか。情けない。