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90日間の限定で米中双方の関税を115%引き下げ

 本当にトランプ大統領には驚かされます。先日、イギリスと関税に係る交渉が妥結したと発表した後、世界をあっと言わせるニュースが飛び込んできました。それは対立する中国との関税交渉に係るものです。米中共に掛け合っていた高率の関税を115%引き下げるというのです。

 報道によれば交渉が妥結するまでの90日間だそうですが、米国は30%、そして中国は10%の関税と税率が大幅にダウンすることになります。この90日間で妥結しなかったときはどうなる?、という野暮な疑問は捨て置きましょう。政治的な駆け引きもディール(取引)だというトランプ大統領の出方を読み取ることは全くできません。

 中国の習近平氏ら首脳陣が関税交渉において中国の方が有利だという意識があるのでしょう。これからも下手に出ることは中国はしないでしょう。一方の米国は就任100日目の大統領支持率が歴代ワーストという不名誉な事実が、トランプ大統領の判断に多少なりとも影響を与えているようです、と私は思っています。歴史に名を残したい大統領。低支持率をフェイクニュースと軽く流したいところでしょうが、背に腹を変えられないのでしょう。

 この中国交渉術、日本の石破首相も見習いたいものです。英国と中国の交渉、外野席で観てきた日本国政府は「鉄は熱いうちに打て」の格言のとおり、素早い行動に大いに期待したいものです。