10月27日(日)は衆議院選挙の投票日です。私は妻と期日前投票に行ってきました。最近は期日前投票の方が回数として多いです。今日は各党の政策・公約についての苦言です。各政党の政策・公約そのものの是非には言及しません。簿記の知識を利用した苦言です。
私は中小企業診断士です。平成7年4月1日付けの登録です。診断士試験では財務会計に係る知識が問われます。2次試験では財務会計の知識をベースとした事例課題を解きます。このように財務会計は診断士の仕事を行っていく上には必須の知識だと言えます。
診断士に登録した時は簿記の知識がありませんでした。決算書の分析と改善策の提案ができればよいので、決算を作成する過程の出来事、つまり取引記帳等についての知識は試験では問われなかったからです。しかし実際のコンサルティングをする中で簿記の知識は絶対に必要だと確信しました。そこで日商簿記2級の資格を取得しました。
簿記では借方・貸方が同時に同額で記録するという原則があります。例えば現金の入金についてです。「お金が入ってきた」のには理由があります。それは「現金売上があった」「売掛金を回収した」「保険を解約した」「車両(資産)を売却した」等など、いずれかの理由があったからこそ現金が入ってきたのです。この考え方は当時の私にとって新鮮な驚きとなりました。この簿記の考え方、両建てで物事を理解するという発想はとても役立つからです。
ここで今回の総選挙における各党の政策・公約について言及してみましょう。端的に言うと「お金がでること(又はお金を出さないこと)」が多すぎるのです。例えば「消費税をゼロにする」。何と嬉しいことでしょう。しかし消費税が入らないのであれば社会保障に当てる財源はどこから捻出するのでしょうか。
例えば「教育の無償化」。子育て世代にとって有難いことです。でもその資金はどこから出で来るのですか? 例えば「防衛力の増強」。その資金は国会議員の人数削減と歳費カットで賄うのでしょうか(笑)。まあこんな具合です。
簿記では「支出」あれば「支出に見合った収入」が同額で発生することが理解できます。「出す(又は出さない)」のであればそれに対応する「財源はこれこれで」という説明がないといけません。増税をうたえば票が入りません。政治家はずるいです! 財源の手当てもなしに言いたい放題。これが我が国の政治家のレベルなのです。本当に情けない!