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石破茂新首相、為替市場と株式市場の2つから有難くない就任祝い?

 経済は政治に影響を受ける。こんな法則がありそうです。自民党の総裁が決定し新首相もほぼ決まりです。その政治家の名前は石破茂。私はこの政治家ははっきり言って好きではありません。理論家ぶっての話しぶり、目線が何んとなく嫌なのです。それでも政治の世界は多数の論理が成立します。新しい首相は日本国のリーダーとしてどのように牽引していくのでしょうか。注目です。

 自民党総裁選では9名が出馬し1回目の投票では3番手と思われていた高市早苗氏が1位となり、石破茂氏との決選投票に進みました。総裁選期間中の高市早苗氏の経済に係る言動は積極財政と日銀利上げの停止を求めるものでした。株式市場はこれを円安と企業業績の上振れ要因と判断し、高市早苗氏が新総裁に選ばれる可能性が大として為替市場での円売りと日経平均株価の上昇の誘因となりました。

 ところが蓋を開けてみると2位だった石破茂氏の当選。週明けの為替市場と株式市場は先週末から反転し、円高と株式安を引き起こしました。確かに政治と経済は切り離すことはできないとしても、新首相は出足から市場より冷や水を投げかけられたとみて良いでしょう。

 経済力は防衛力・軍事力にも通じます。隣国の大国、中国が米軍以上に国防費を毎年伸ばしてきており、西太平洋やインド洋、南シナ海でのプレゼンスを強めています。新首相は経済成長を堅固なものとし、成長の成果である資金を防衛力に次ぎこんで欲しいものです。平和を声高に叫んでも実現できません。実行力を兼ね備えてこそ強大な軍事国家の無謀な行為を防止することができるのです。

 新首相が経済、外交、教育、少子化、膨れ上がる財政赤字等々の難題をどのように解いていくのか。その工程をしっかりと観ていきたいものです。