日経平均株価が上昇しています。バブル崩壊直前の最高値を更新し、かつ4万円の大台に到達しました。市場関係者の多くは楽観的に「もっと上昇する」という観測球を打ち上げています。上昇するかまたこのまま推移するか、いや3万円台に落ちるのかは専門家等の意見に任せることとしましょう。
考えたいのはこの株価上昇の効果が一般生活者へどのように波及するかということです。私は広く一般消費者まで波及してほしいと考えています。富裕層等一部への波及効果だけではダメなのです。
上場企業の経営者が自社の株価の動向に強い関心を持つということは理解できます。株価=市場とすると、株価は市場からの通信簿であると言えるからです。経営トップであれば通信簿の点数は高い方が良いに決まっています。市場が秀・優・良・可・不可の5段階評価を下すとして、今は優又は秀の企業が多い状態だと言えそうです。
これだけ高評価をもらっているのですから、当の経営者は積極策に出るべきです。例えば社員の大幅な賃金引上げ、国内市場への積極的な設備投資、研究開発の活発化等々です。最初に挙げた賃金引上げを行えば、市場規模は拡大します。賃金引上げ~市場拡大~売上増加~利益増加と正のスパイラルが連綿と続きます。
日本の長い経済停滞は賃金引上げがなされなかったことの負の影響なのです。日本経済の長期停滞から抜け出す絶好の機会が訪れているのです。先ずは大幅な賃金引上げの実行が鍵を握ります。
設備投資も市場を拡大します。設備投資をすれば建設資材の需要が高まります。資材を供給する企業の生産が増えます。工場が新設・改修するば新規雇用が発生し、または新規の生産設備が必要となります。儲かっている上場企業が海外ではなく、日本国内に設備投資をすることの乗数効果は大きいのです。
上場企業の経営トップは、これからの日本経済と社会の在り方を決定する重大局面に直面していると考えて下さい。ぜひとも「体力以上の賃金引上げや設備投資を行った」という発言を聴きたいものです。