来年の干支は辰です。辰は竜(龍)のことでもあり、竜(龍)は十二支の中で唯一仮想の生き物です。私が抱く竜(龍)のイメージは風雨激しく雷鳴と雷光が交雑する暗雲の中、ぐ~と上昇しまた急降下するなど乱舞するというものでしょうか。昨今の政治や経済の状況をみると令和6年1月1日を待たずして竜が突如として私達の目の前に現れたような気がします。
先ずは政治の世界。自民党各派閥主催のパーティー券販売収入が、政治資金収支報告書に記載されていないとの刑事告発があってからはゴタゴタ続き。既に説明する必要はありませんね。政治が落ち着かないと日本はどうなっていくのでしょうか。強権的な隣国を考えるとても不安です。
経済はどうでしょうか。最初に浮かぶのは急速な円高です。対ドル151円と記録的な円安になった途端、一挙に141円台へと10円以上の円高へ逆回転です。為替相場が乱高下して喜ぶのは投資筋だけです。輸出型企業の経営者や一般庶民は乱高下の影響がどのように波及してくるのか戦々恐々のことでしょう。一般庶民でも外国株式や債券を購入していると為替損失が発生します。心穏やかではないでしょう。
国際社会でも「えっ」という状況が続いています。イスラエルのガザ地区侵攻、国際社会から否定的な反応を無視するように戦闘は続いています。ウクライナ紛争も西部戦線異常なしの如く停滞しています。南米では過激な経済思想を持つ政治家が大統領になりました。米国では来年の大統領選でトランプ氏が返り咲きしそうです。
全てが適度な角度を持つ関数(方程式)で右上がりに状況が改善していけば良いのですが、日本や世界が解かないと関数は複雑な数次関数です。関数に含まれる説明変数は極めて多く、かつ常にその値が大きく上下変動しています。その結果、目的変数である計算結果は乱高下してしまいます。
残念なことに複雑すぎるこの関数を解くことができる人は現実にいません。それでも関数の説明変数の上下変動幅を抑えつつ、固定値にできるようにしたいものです。それを実行できる強いリーダーが早く現れてほしいものです。
新年を待たずして現れた竜の乱舞。竜にお願いしたいことは「天空を乱舞するのは来年まで待って下さい」です。そしてまた「乱舞するのではなく、ゆっくりと上空に向かって昇って下さい」です。