郵便局の回し者ではありませんが、読者の皆さんは年賀状を出しますか? 10年ちょっと前はメールで年賀の挨拶と称したものが年明け早々に受信していました。最近はとんと受信することはありません。それは年賀という風習が薄れてきたということなのかもしれません。
年賀の賀は「喜ぶ、祝う」という意味があります。1年は365日(366日)ですが、同じ1日でも1月1日は特別です。子供時代、初日の出を見たい気持ちを抱いて大晦日に就寝しました。ところが、翌日の朝床から起きたときは、太陽は山の稜線の上からさんさんと輝いていました。子供ながらも正月三が日は特別に感じていました。
それもそのはず、(新)を「喜ぶ、祝う」のが正月三が日であり、それゆえに年賀なのです。年賀は「今年もがんばろう」「今年一年健康で元気で過ごそう」などと思いをはせ、新しい年の始まりに決意を固める一日(三日)といえます。心が洗われ、リセットされて再びスタート地点に立っているような感覚
になります。
年賀状はそんな年賀の気持ちをハガキ一枚に乗せて相手に送るものです。年賀状発送という風習は1900年頃に始まったと言われています。郵便制度が1870年前半に始まりましたが、30年を待たずとして年賀状という新しい風習が日本全土に広まったのです。
清成事務所は多い年で350枚ほど出していました。それが最近は100枚も満ちません。仕事面での終活を始めていますので、年賀状の送り先をぐ~んと絞り込んだのです。それでも11月から12月上旬に「年賀状を止めました」というお知らせがくると少し悲しくなります。
ハロウィンのような「何でそんなことにはしゃぐんだ」という欧米発のイベントが盛んになる一方で、日本古来からあった風習やイベント、お祭りなどが次々となくなり、そして廃れていっています。年賀状保存会という会を設立したい位です。日本の良き風習は次の世代、いや末代までも引き継いでほしいものです。