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法務省が検討。自筆証書遺言書がPCで作成してもOKになりそうだ?!

 私は今年12月で満68歳になります。また今年7月から老齢厚生年金をもらい始めました。厚生年金と基礎年金を2年6か月繰下げたので、65歳時点の年金額よりも21%加算された額を受給しています。本当にうれしいことです。何で67.5歳でもらい始めたかというと、「あと何年生きられるか」という余命に強い関心があるからです。残念なことに人は必ずなくなります。何時亡くなるのか分からないのが辛いところです。

 と前置きしましたが、財産が沢山ある人は相続税対策に余念がありません。私は少しだけの財産がありますが、今のところ推定法定相続人間で争いが発生する可能性がないので遺言書を作成していません。しかし何れは作成しようかと考えています。沢山の財産がある人で、かつ推定相続人同士で人間関係がうまくいっていないと、相続時に争族となる可能性が高くなります。争族となることはやむを得ないとしても、被相続人(亡くなった人)は穏便に相続を済ませたいと考えるでしょう。

 そこで遺言書の出番です。一般的に利用されている遺言書は公証人が関わる公正証書と被相続人本人が作成する自筆証書遺言の2つがあります。あと秘密証書遺言書がありますが、余り使われていないようです。また死亡が間近に迫った時の遺言、緊急危急時遺言もあります。ですが、公正証書と自筆証書が遺言書の二枚看板です。

 自筆証書遺言は法務局による自筆証書遺言書保管制度が発足したので多少の使い勝手が良くなりました。それでも財産目録を除き全文自筆、自署しなければならないところがボトルネックです。日付や押印も要注意です。自筆証書遺言は相続人が遺言書の存在を知らないことも多く、また悪意の相続人が改ざんしたり秘匿することもあるようです。

 とまあ、自筆証書遺言のデメリットを綴ってきましたが、何と言っても自筆・自署が大きな障害であることは否めません。この自筆・自署というルールが変わる可能性が出てきました。PCで作成してもOKとなりそうなのです。法務省が民法改正に動き始めました。とここまでは良いとして、疑問に思うことがあります。「本人が作成した」という証明をどうするのか、ということです。法務局のような公的機関が認証するか、また特別法によって設置された(する)第三者機関が認証するのでしょうか。

 自筆証書遺言書の有効性に関する大きな条件の変更です。私が持つ行政書士の外、弁護士、司法書士等関連士業にも大きな影響を与えそうな気がします。法務省や審議会等の今後の動きに注目です。