暑かった夏が終わり、残暑が厳しい9月でしたが、9月も終わりを告げる月末になってようやく朝夕が涼しくなってきました。天気予報ではまた少し暑さがぶり返すとの見込みもありますが、このまま「涼しくなってきたね」という声が皆から聞こえるようになって欲しいものです。
その一方で物価上昇の傾向は一時的に熱気が薄れてきた感もありますが、相変わらず3%以上が続いています。にも拘わらず、物価の番人たる日本銀行は物価上昇を食い詰める策は何も行っていません。日本銀行金融政策決定会合は何も決められないのです。議論しても無駄です。会合の後に植田総裁は説明をします。「物価上昇が確定的だとまでは言えない。賃金の安定的な上昇に期待したい」等と第三者的発言に終始しています。
前黒田日銀総裁は高い物価上昇が2年近く継続していたことで、物価上昇に係る発言が変化していました。「円安による」「ウクライナ戦争に起因して資源高の影響が大きい」「コアCPIは大きな上昇率ではない」「賃金引上げによる物価上昇ではない」「金融引き締め転換による景気悪化に注視すべき」等など。「前からそんなこと言っていた?!」と思う言質が次から次へと飛び出す始末。学のない私なんか、「日銀は金利引き上げをしたくないんだ」と結論づけています。
なお、賃金引上げと物価上昇とが連動するというのは正しいです。賃金が上昇すれば消費支出額が増えます。需要が増えるのですから供給がタイトだと物価は上昇していきます。単純に考えれば賃金アップと物価上昇とが相関関係にあることは理解できます。
10月になります。巷間に冬のボーナスの話が出始めます。日本では賃金引上げは概ね3月から6月と相場が決まっています。なお10月に最低賃金の改定がなされますが、これが賃金引上げに強いエンジンとなることは期待できません。来週まで賃金引上げを待つしかないか...。
いや12月に冬のボーナス支給があるではないか。上場企業は輸出型企業を中心に利益を伸ばしているようです。業績好調な企業はど~んとボーナスをはずんで下さい。賞与支給額増加という情報が広く国内に流布すれば、財布の紐を固くしている経営者も「少しだけど前年比で賞与支給額を増やそうか」となります。こうして実質賃金を増やしていかないと、日本経済は沈没するどころか、潜水艦となって大洋の大海原で深く潜航することになってしまいますよ!