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夏の高校野球、甲子園大会開催を疑問に思う

 今年は全国各地で猛暑日が相次いでいます。その中で中高校生の体育の祭典が大勢の人々の助けを借りて各地で開催されています。その筆頭は高校野球でしょうか。NHKが全国放送しています。各都道府県の予選を勝ち抜いた高校球児が憧れの甲子園球場で戦うのです。しかし私はこの風景に疑問を持つようになりました。

 その疑問の1つは「なぜ、暑い夏の盛りに野球をしなければならないか」です。夏の甲子園大会の歴史は100年を超えます。その当時の平均気温はどの程度だったでしょうか。少なくとも私の小学生時代(昭和37年から昭和42年)までは、「暑い!」と言っても35度を超すことはありませんでした。それが今では猛暑日(最高気温が35度以上)を記録するのが当たり前となってしまいました。

 一般的に成人の体温は36度から37度位でしょう。猛暑日となった日は直射日光が当たらない影のある場所でも35度以上の外気温を記録します。体温とほぼ同じですから、体温調節に私達の体はとても苦労し負担に感じているはずです。

 甲子園球場は観客席がグランドを取り囲んでいます。選手たちがいるグランドの外気温は観客席より数度は高いはずです。その中で野球をやるのですから、体に負担が生じない訳がありません。

 今年の大会初日、好天に恵まれたようで、足腰に痙攣を生じた選手が多数出たと新聞記事にありました。6回に入る前にグランド整備をしますが、この時間帯をクーリングタイムとして選手たちは冷気に当たったようです。グランドでは40度前後の高温、クーリングタイムで一挙に体を冷やす。こんなことをして体調がおかしくならないのは常人ではありません。

 アルプススタンドでは同校のブラスバンド部らが応援合戦をします。直射日光にさらされて熱くなった金属製の楽器をもって応援歌を奏でるのです。チアガールならぬ応援専門の生徒たちもいます。暑いさなか、グランドにいる選手たちを応援するのは微笑ましいのですが、彼ら・彼女らも熱中症にかかり易くなっています。

 もう夏の甲子園大会を開催するのはやめましょう。するのであれば、秋の気配が見え始める8月20日以降でよいではありませんか。それでもなお、やりたいのであれば気温が急上昇する日中は試合時間から除外すべきです。朝方7時台から2試合で11時半くらいで中断。午後は3時以降で午後7時までとする。こんな時間割でどうでしょうか。

 グランドで倒れてそのまま救急車に乗せられて病院行き。治療の甲斐もなく、寝たっきりになるか又は最悪は死亡する。こんな不幸な出来事が起こらなければ、このままの大会運営が続いていくのでしょう。