「家を持つのは男子の本懐」と言われていた(?)時代がありました。古い人間の発想なのですが、男子は結婚し家族を養い、そして財産として持ち家を構えるという考えです。この発想の是非を問うことはしませんが、やはり持ち家は男女関わらず人生を送る上での大目標の一つであることには間違いありません。今日の(8/4)日本経済新聞に【住宅ローン最長50年に~住信SBI、若者需要狙う~】の見出しで興味深い記事が掲載されていました。
会社員であれ、自営業者であれ、会社経営者であれ、月収や年収といわれる現金等収入を得ています。不動産売買市場では不動産価格がこの年収の何倍かという基準があります。倍率がとんでもなく高いと「家を持つ」ことは夢のまた夢になってしまいす。概ね8倍から9倍といった水準であれば、「マンション(戸建て住宅)を買おう」というアクションを起こしやすいようです。二桁となると「とんでもなく高いから買うのはやめよう」となってしいます。
さて今回の住信SBIの挑戦、吉と出るでしょうか。一般的に住宅ローンは最長で35年です。人は何時亡くなるのか分からないのですから、貸し手側はローン期間は短くしたいと考えます。借り手側は年収の一部を住宅ローン返済に回すのですから、毎月・毎年の返済を楽にするために長期を望みます。そこで緩衝材となるのが金利です。住信SBIは初年度から借入金利に0.15%を上乗せするようです。
今回の最長50年ローンの借り手の年齢は20歳代としています。30歳以降だと50年ブラスすると80歳から90歳台に到達しています。幾ら長寿化が進んでいるとしても生存確率は70歳台より80歳以上の方が低くなるのは当然です。20歳台は転職等もあるかもしれませんが、これからは人材不足が深刻になっていくと推察されることから、現状の給与水準を維持したうえでの転職となる可能性も高いでしょう。20歳台というマーケットの特徴に目を付けての新規需要開拓! SBIグループを率いる北尾吉孝氏の目の付け所は「さすが!」ということしかありません。
新規市場開拓を住信SBIに先に越された他のネットバンキング各行やメガバンク、地銀等の貸し手はどのような動きを見せてくるでしょうか。大いに興味がそそられます。