上場企業は株式会社として成功している証と言えそうです。東証に上場している企業のうち、株価と純資産との比較を示すPBR(株価純資産倍率)が1倍を下回る企業が多いことに市場関係者が警告を出しています。PBRが低いということは、事業を継続する価値よりも事業を閉鎖して残余財産を分配した方が株主の利益になるということを示しています。今年の春先に東証が発表した数字では1800社ほどがPBR1倍割れとなっていました。
今日の日本経済新聞にメガバンクを含めて、銀行にPBR1倍割れが多いことが記事となっていました。ネット銀行は1倍を超す銀行が多いようですが、地銀は全行1倍割れという体たらくです。経営者はこのような事態をどのように診て感じているのでしょうか? 各行頭取にぜひとも訊きたいものです。
大分県関係だと豊和銀行は0.65倍となっています。メガバンクの三菱UFJが0.75倍、三井住友が0.67倍となっていますので、豊和銀行は善戦(?)していると言っても良いでしょうか。大分銀行はどうでしょうか。大分銀行のPBRは0.18倍となっています。大分銀行は東証の3つの上場区分では、最上位のプライム市場に上場しています。その大分銀行のPBRが0.18倍というのは信じられません。この記事では低PBR銀行として10行記載されていましたが、大分銀行は下位6番目となっていました。
金融機関は経済活動にとって重要な資金を事業者に提供します。純資産をはるかに低い株価というのは、投資家等市場関係者の評価が極めて低いということの証左です。なぜ評価が低いのか。それは大分銀行等金融機関の経営者は真剣に考えなければならないでしょう。金融機関の経営が悪化すれば、地域経済は必ず低迷します。資金提供が細くなるからです。
大分銀行に関わらず、すべての金融機関は現行のビジネスモデルが正しいのか、検証する必要があるのではないでしょうか。