改正戸籍法が成立しました。これまでは戸籍に氏名の「読み仮名」が記載されていませんでした。行政庁への諸届出以外にも、色々な書類には必ず自分の氏名を書く欄があります。そしてその上には「ふりがな」を書くようになっているのがほとんどです。漢字は同じでも読み方が違うことがあるからです。
競技から引退をしプロに転向したフィギュアスケートの羽生結弦選手は「はにゅう・ゆずる」と読みます。将棋の羽生善治九段は「はぶ・よしはる」と読みます。漢字は「羽生」で同じなのに「はにゅう」や「はぶ」と異なった読みをします。日本人はお二人の活躍を知っていますので間違えません。しかし知らない人はどんな読み方をするのか混乱してしまいます。日本語って本当に難しい!!です。
氏・姓でこれですから、名の違いはもっと大きいです。「これって何と読むのか?」と頭をひねることの多さ。日本人であれば誰もが経験したことがある難問です。改正戸籍法では氏名に「ふりがな」を付けるように強制されるため、この難問が少しだけ解けそうです。改正法は2024年度にも施行される予定です。
とすると俗にいうキラキラネームはどうなるのでしょうか。漢字が本来持つ意味と異なる読み方は、「氏名に用いる文字の読み方として一般的に認められているもの」という改正法が定める基準から「これはダメです」と役所窓口で拒否される可能性が高いと考えられます。認められない例を幾つかあげてみると...。
「高」を「ヒクシ」と読むことは、字と意味が逆で×です。「太郎」を「ジロウ」と読むことは、読み違いかどうか判然とせず×です。「太郎」を「マイケル」と読むことは、字から連想できず×です。「佐藤」を「スズキ」と読むことは、別人と間違えうるので×です。
法が施行され後にわが子の名前を役所に届け出ようとすると、「この名前は受付できません」と戸籍窓口で拒否される場面も出て来るかもしれません。私もそうでしたが、わが子の名前を付ける両親は本当に真剣に考えています。考え抜いた名前を受け付けてもらえないとすると「なんでや~」と声を荒げたい気持ちも分からないではありません。
しかしその子の長い人生の中で、「この読み方は変!、読めない~!」ということでは、その子の心は如何ばかりでしょうか。少なくとも戸籍法のルールに従った名前にすることが最善手ではないでしょうか。それにしても、日本国の将来を考えて、もっと子どもを沢山生んで、社会全体で子育てをしていきましょうよ。年金をそろそろ貰おうかなと考えている67歳半ば過ぎの男性からの切なる願いです。