昨日のTVニュースで、来春に大学を卒業する予定者の採用選考活動が解禁となったと報じていました。実務上は3月1日に求人情報やエントリーが解禁されていますので、実質的な就職・採用活動は3月からとなっています。私の息子も10年近く前に大学院を修了しましたが、4月中にスーパーゼネコンへの就職が内々定しています。私が確か11月に就職先が決まったのでその早さにびっくりしました(昭和52年の話です!)。そしてニュースは内定率が約7割に達していると追加で説明していました。
これらのニュースは大手企業や上場企業での話です。企業数の中で99.7%を占めるという中小企業での就職活動はこれからです。就職活動ではなく採用活動と言い換えた方がよいかもしれません。内定率7割と記載しましたが、意中の企業からの内定をもらいたいと、複数の企業から内定をもらっても就職活動を続けている学生もいます。
「寄らば大樹の陰」ではないのですが、今の学生は安定志向から抜けていません。横並び志向が強いです。「自力で活路を見出す」というような積極性や挑戦心が乏しいようです。面接時での問いに「人材育成のシステムを教えて下さい」があるとか。自分で勉強するというよりは、会社の育成システムに乗らないと成長できないという証明にもなっています。
とはいうものの、中小企業でも人材不足は深刻です。企業物価の上昇が会社業績に大きな圧力をかけています。今年、賃金引上げを行った中小企業は約6割だとか。賃金引上げもできないという中小企業は多いのです。
中小企業は雇用人数では全体の7割を占めます。中小企業の存在が日本経済を支えています。中小企業に人が集まらないと日本経済は浮上しないかもしれません。政府や地方自治体、商工会議所等経営支援機関は中小企業に人材が集まる仕組みを早急に構築する必要があると思うのです。人材の募集・採用に係る公的機関にハローワークがあります。もちろん大学や、高等学校にも就職をサポートする部署はあります。
労働市場の隙間をビジネスとして展開している企業も存在します。就職紹介、斡旋、求人・求職のマッチング、企業や求職者への情報提供等、多くのサービスを提供しています。これらの企業が「中小企業にも良いところがありますよ」と勧めてくれるか大いに疑問です。
公的な機関が重~い足腰を上げて、採用・就職市場に乗り出していくことが、中小企業での人材不足解消の一つにつながると思うのです。読者の皆さん方はどう思われますか?