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ある地方銀行のお昼休みに窓口を閉鎖を考える

 日本銀行総裁が黒田氏から植田氏へ変わって1か月半となりました。世界経済はいまだ不透明感が漂っていますが、植田日銀はどのような金融政策を打ち出していくのでしょうか。私は今年秋口にかけて、金融緩和政策を多少変化させるのではないかと予想しています。金利は確実に上がっていくことでしょう。

 今年になって米国の金融機関3行が経営破綻しました。その要因の一つにFRBの金利引上げ政策があると思います。市場関係者の間では「そろそろ引上げを停止するか、または引上げ率を下げていくだろう」という観測が多勢を占めていると言います。政策金利が上がり続けることで、米国内経済そして世界経済の成長に大きなブレーキが働きかねないからです。

 欧州ではECBが政策金利の引上げを今後も続けると表明しています。その結果、対円の為替相場ではユーロが徐々に高くなってきています。最近では1ユーロ、148円前後の攻防です。150円を超えるかもしれません。ドルは一時の140円から150円までの極端な円安ではありませんが、それでも135円から138円前後の相場が続いています。

 このような国際的な為替相場の影響が国内経済にも深刻なダメージを与えていると思います。その余波が金融機関へ届かないわけがありません。金融機関が個人等の預金者から集めた資金を会社等に貸し付ける預貸率に注目です。また債権等の有価証券で運用する預証率にも関心を持つ必要があります。有価証券で運用をしている金融機関等は、金利が上昇すると有価証券の評価損が発生する可能性が高まります。

 金融機関からお金を借りる企業や個人も、金融機関の経営実態に注視しなければ、仮に経営破綻したときは預けたお金が戻らないという不利益を被ることにも成りかねません。ペイオフにも関心も持ちましょう。現状の制度では元金1000万円との利息しか保護されないのです。

 先日私はある銀行に口座を開設しにいきました。マネーロンダリング等の関係か、直ぐには口座が開設できませんでした。まあここまでは良いのですが、その銀行はお昼の時間帯に窓口を閉じるといいます。総合的なコスパを考えて窓口閉鎖が最良と考えたのでしょう。金融機関も生き残りに必死です。収益と費用とを真剣に考えて、無駄な費用は一円たりとも出さないという決意をし、それを行内末端まで行き渡らせた金融機関だけが生き残っていくのかもしれません。