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眼鏡小売チェーン、オンデーズの「社内出稼ぎ」制度による店舗欠員対策

 統一地方選、参議院補欠選挙も終わりました。選挙結果を論じることはしませんが、当選した人達には初心を忘れずに公約を実行して欲しいものです。今年の賃金引上げ交渉の話題も報道されなくなりました。大手企業の交渉が妥結したことにより、交渉の現場は中小企業に移ります。中小企業での交渉はこれからが本格化するのです。

 大手、中小の別を問わず人財不足は深刻です。特にIT、デジタル人財の不足は会社の安定成長に赤信号が灯ります。そうは思うものの、募集・採用をかけるのに面接まで至らない、という事実が多発しています。拠点数が片手未満という場合でも人財不足は困りものですが、拠点数が多くまた県外まで広がっているときは問題は深刻です。A県では十分に人数は足りているものの、B県では社員に欠員が生じているということもありそうです。

 眼鏡小売チェーンのオンデーズ(ONDAYS、那覇市)が面白い取組みをしています。会社のHPによれば、店舗数は2022年12月現在で国内225店、海外275店の500店だそうです。この規模になると、社員数が不足する都道府県や店舗が沢山出で来ることが予想されます。実際、オンデーズではそのような弊害が発生しているらしいです。人財配置の偏在性が店舗運営の障害となっているのです。

 そこで取った対策が「社内で稼ぎ」というもの。社員が不足している店舗に、応援に手を上げた社員に対して月額最大15万円の手当を支給して人財不足を補おうというのです。応援期間は3か月以内だそうです。緊急的な対応では3か月もあれば大丈夫でしょう。その間に当該店舗は欠員を補充する手を打てば良いのです。

 出稼ぎ手当は多い人で月15万円というのですから、月額給与が出稼ぎ前の1.5倍になった社員もいるそうです。出稼ぎ先店舗でその店長のマネジメントを学ぶこともできます。また嬉しい事に地場の美味しい食事にもありつけます。今年2月に導入したこの制度を利用した社員は9名だそうです。今後も増えていきそうな予感がします。