昨日(4月20日)、日本にコンビニエンスストアができて50周年目にあたるとTVで報道していました。今やCVSがない日常は考えられません。先日私事で県外に出かけた際、少し辺鄙な海沿いの宿に宿泊したのですが、周囲を見渡すとCVSが見当たりません。「ここはコンビニがないんだ」と心の中で思わず叫んでいる私がそこにいました。
日本のコンビニ業界は大手三社とその他弱小の多数に二分されています。一位はご存知、セブンイレブンです。米国の本家(親会社)を買収し、また近年は米国の大手同業者にM&Aし、セブン&アイHGは売上高11兆円超の企業グループへと成長しました。日本の小売業界では初の10兆円超えです。同グループの成長を支えてきたのは、コンビニのセブンイレブンです。
同グループは米国の投資ファンドから、CVS以外の事業の分離を求められています。百貨店事業、レストラン事業、総合スーパー(GMS)などの事業を分離させ、コンビニ専業グループとなるよう求められています。投資ファンドも株主です。株主の要求ですから無碍にできません。同グループの経営陣の判断が注目されるところです。
ここで同グループのCVS部門の成長エンジンを診てみましょう。国内のセブンイレブンの店舗数は2万1500店舗弱です。毎年数百店舗を増やすとしても、新設と同時に廃止もあるでしょう。同業他社も出店にやっきです。既に国内店舗は飽和状態と言って良いでしょう。
店舗数の増加は量的拡大です。国内で店舗数を増やすことができないなら海外へ、となることは当然です。米国の親会社を買収し、また同業他社もM&Aで獲得しました。引き続き同業他社のM&Aを計画しているに違いありません。東アジアや東南アジアでも積極的に出店しているようです。しかし何れは出店余地は少なくなっていることは理解できます。量的成長はいずれ限界に近づくのです。
一店舗当たりの成長を目指すことも可能です。セブンイレブンは🍙販売やセブンカフェ、ATM設置、公金等収納等々物販以外のサービスを開発し、それがコンビニ業界で確固たる地位を占める一因ともなっています。この成長戦略は質的成長を牽引しています。しかしこのような新しい!商品やサービスの開発もいずれは限界となるに違いありません。
企業成長戦略の1つに多角化や新事業開発などがあります。投資ファンドが主張するコンビニ専業という選択肢は短中期的には同グループの成長を促す可能性は高いと思われます。しかし長期的に視野から成長シナリオを考えてみると、コンビニ専業という選択肢が成長への足かせとなりそうな気がします。読者の皆さん方はどのように考えますか??