中東のカタールでサッカーW杯が開催されています。イスラム圏での初開催ということもあり、大会組織委員会(とカタール)と欧州諸国の国民との間で政治的かつ価値観的な摩擦が生じているようです。そのような番外編は蚊帳の外に、いや~23日の対ドイツ戦、日本代表は見事な逆転勝利を収めましたね。私は日中の野良仕事の疲れと「どうせ、日本は負けるから」と22時には床にはいっていました。
翌日の新聞に日本チームの逆転勝利が一面を飾っているではありませんか。ということで、昨日(24日)のNHKニュースや20時台の対戦解説に見入ってしまいました。そのときに、試合後のサポーターや選手達の振る舞いに世界中が賞賛の声を上げています。日本人として本当にうれしい限りです。この行動は日本が世界に誇れる精神文化の1つと言えるのではないでしょうか。
先ずはサポーター。大声を出しての、そして全身を使って、応援に来ている全員が一体感をもって応援するのですから、会場にゴミが散乱することは当然でしょう。サポーターの中で自然とリーダーが生まれ、1人、2人、そして3人とゴミを拾う人が自然発生するのでしょうか。それも見事な逆転勝利に酔っているさなかに始まるのだろうと思います。そのような風景が目に飛び込んでくると「自分達も」となるのが日本人の性。大きな渦となって自分達が日本チームを応援した場所を「来たときよりも綺麗に」して退場していくのです。
次は日本チーム。ドーハの悲劇を目撃した私達の年代は、当時の日本のサーカー界は世界水準と比較すると技術が相当遅れていることを実感しました。やっとのことでアジア予選を通過できるか位の実力しかなかったのですから。それが今やトップレベルの欧州各国リーグに活躍する日本選手が続出。そして若手も続々と育っています。血気盛んな若手選手を統率する指揮官、森保監督の気遣いは大変なものでしょう。
TVで映し出されていた風景はこうです。誰もいなくなったロッカールーム。真ん中に机があります。机には何か書き物があって服らしきものが畳まれて置かれています。メモには「ありがとうございました。感謝」と日本語とアラビア語で書かれていました。そして折り鶴も添えられています。ロッカーのハンガーも片方にまとめられています。床にはゴミらしきものは落ちていません。「これが日本人だよ」と思わず叫びたくなります。映像を提供したのは、W杯開催主催者のFIFAです。
各国メディアは世紀の逆転勝利として伝えていますが、それ以上に伝えて欲しいのが「日本人の精神文化、感謝の伝え方、立ち振る舞いなど」です。映像を見て誇らしくもあり、また涙腺が緩んだ私でした。