賃金の引上げへの号砲がなり始めたと感じます。大分県では10月5日から最低賃金は854円となりました。という中での自説の展開です。来年度の最低賃金の引上げ額は50円前後となり、900円の大台に乗ることは確実な情勢だと私は判断しています。私がどうしてこのように考えるのかをまとめてみます。
考える理由の最大の理由は150円台も視野に入った円安です。急激な円安により家計が圧迫を受けています。食料品は10月になってドンドン上がっています。どの家庭でも台所を預かっている主婦層の悲鳴が聞こえてきそうです。この悲痛な声は政府のリーダーや日本銀行にまで及んでいません。大幅な賃金引上げが必要だという声は労働界から出ているものの、経済界や政界からは一つも聞こえてきていません。
消費者物価指数の上昇による実質賃金の目減りは、他の消費財への支出抑制となって経済活動の減速を招きかねません。今後、政府が発表するGDP速報値に関心を持たないといけませんが、減速傾向が顕著になることは間違いないでしょう。インバウンド需要云々は簡単に消し飛んでしまいます。
政府は苦しい家計を応援するために、燃料費や電気代、ガス代等の負担軽減策を打ちだしています。しかしこれらは対処療法に過ぎません。根本は給与所得を増やすことです。賃金を大幅に上げればCPI上昇があっても、実質賃金は拡大する可能性は高まります。
民間企業が大幅な賃金引上げに踏み切るような激震とも思えるような政府施策を打ち出すべきです。そうしなければ、日本経済の縮小は予想を遙かにしのぐスピードでしぼんでいくことでしょう。そのような姿が見て取れます。
最低賃金の全国平均は961円です。政府が目指す1000円まであと39円です。連合が5%の賃金引上げを目論んでいます。このような情勢を踏まえると、50円を超す最低賃金の引上げが来秋には実施される可能性が高いと思います。どうせなら、他社に先駆けて早く賃金を上げてしまいましょう。優秀な人財の確保と囲い込みを今直ぐに着手すべきです。
無為無策の政府に頼ってはいけません。自社や社員を支えたいのであれば、躊躇することなく今すぐ大幅な賃金引上げを行うべきです。近視眼的な賃金引上げではなく、長期的かつ大局観に基づいた賃金引上げを行うべきだと私は思っています。