会社勤めの方にはカード型の健康保険証が発行されています。この健康保険証が2024年(令和6年)秋には使用が中止され、マイナンバーカードに切り替わるというニュースが報道されました。マイナンバーカードの普及率は50%を少し越えたところです。ということは国民の1/2はまたマイナンバーカードを保有していないということ。さて、2年後の健康保険証廃止とマイナンバーカードへの切り替えは順調に進むのでしょうか?
私の家族はマイナンバーカードを持っています。住民票や印鑑証明書の取得も簡単で費用も安く大変便利で重宝しています。マイナンバーカードが発行されたときは、税務と社会保障関連の事務処理等効率化が目的とされていました。今回の河野太郎デジタル相の記者会見で説明されていたように、交通免許証として利用することも視野に入っています。2024年度中の切替えを早めようとしているようです。また、国等行政庁からの公金振込を容易にする為に、銀行口座とマイナンバーカードとを連動させる動きもあります。また外国人の在留資格とマイナンバーカードとの連動も検討されているようです。
このようにマイナンバーカードの利活用範囲は拡大途上ですが、何故か肝心の取得率が高まりません。新聞報道によれば、国会野党は「カード取得の強制だ」と政府があげて普及率の向上を目指しているのを批判しているようです。野党議員はマイナンバーカードを保有していないのかも知れません。
何で日本はリスクを取る事を放棄してしまったのでしようか。本当に情けないです。「0又は100の何れか」というように、懸案に対しリスク(危険)とセイフティ(安全)とを完全分離できると思うようになったのでしょうか。何かを始めようとすると、「それはリスクがある」という主張がなされて事業等が途中で頓挫する。こんなことの繰り返しです。将来は誰も完全に把握できません。「前門の虎後門の狼」であれば、進んでいく方が安全なのです。世界や日本の歴史では前進した者が勝者となった確率が高いことを証明しています。
リスクを取らない日本国や企業、そして日本人には将来はありません。円安傾向が収まらない中、海外企業は日本国への投資を控え始めています。日本で儲けても自国へ送金するときに利益が目減りするからです。少子高齢化は随分前から言われ続けてきました。合計特殊出生率は1.3人台です。今年の出生数は80万人を割るだろうという予測も出ています。人口減が強まる日本国は沈没しています。作家小松左京の「日本沈没」が現実化している事実に、政府、政党、行政、国民が誰一人として気付いていない不思議・不可解さが私の脳裏に渦巻いている今日この頃です。