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4月は新人の時、「新」に我思う

 4月になりました。3月は別れの季節でもありますが、この4月は新たな出発、出会いの月でもあります。小中高大の各教育機関では進級があり、また新入学もあります。学業を終えた人にとっては社会人として新たな人生のスタートを迎えます。何となく”新(ニュー)”の文字を観たり聞いたりすると心躍るのは、若人だけではなく、老境に入った人生の先輩たちであっても同じではないでしょうか。

 漢字の「新」を調べてみました。「木を切った際の鮮やかな切り口が語源となっている」とあります。木は斧で切り倒します。斧は「刃」がついています。大地にしっかりと根を張っている大木をスパッと切り倒すには、切れ味鋭い刃を持った手斧が必要だったのです。

 「新」は「あらた」、「すすむ」、「はじめ」という語意があるようです。よって「新」には未来へのチャレンジ(挑戦)やフレッシュ(新鮮)なイメージを派生させます。室町時代に能を創り上げた世阿弥は「初心忘るべからず」と言いました。そして、初心とは能を始めた時、役者として活躍している時、そして老境に差し掛かった時の3の時期があると指摘しました。

 会社経営も順風満帆に進んでいる時もあれば、荒天で荒れる海や天空を進んでいる時もあるでしょう。常在戦場のつもりで日々経営に専心専念していれば、荒天・荒海もいずれは静まり、穏やかな空や海に戻ってきます。いつでも事前準備を怠りなく会社経営をしていれば、中長期的いや数十年、百年単位で会社を繁栄させ続けることは可能です。

 今年の新人さんには、この「新」の意味をしっかりと理解し、フレッシュな気持ちをいつまでも忘れずに、未来のあるべく自分の目的地に向かってチャレンジし続けて行ってほしいものです。また元新人だった人達にも、気持ちを新たにし、これからの職業人生に積極果敢に挑戦していただきたいものです。