令和4年、2022年が始まりました。本コロムの読者の皆さん方は、今年の正月をどのように過ごされましたか。昔から「一年の計は元旦にあり」と言われてきました。正月3日間は一年365日の僅か3日!でしかありません。しかしこの3日間を「この一年何をし、何をしないでおこうか」と考えた経営者と「休息日だからと飲酒の日々を過ごした」という経営者では、362日後に迎える12月31日が喜びの日となるか、苦悩の日となるかの境目の3日間となっていると指摘しておきたいものです。
私(清成真一)は1日に家族で恒例の初詣をした後に、自宅の書斎にて事務所と私個人の年間目標を立案しました。この目標試案は三が日に何回か見直しをし、そして今年初出勤した今日・4日に最終的な見直しをしてプリントアウトしました。私を入れて人数が3.5名と小さいながらも、私も経営者の端くれです。縁あって清成事務所にお声を掛けて下さったお客様に対し、どのような姿勢で臨んでいくのか、悩みながらも目標として書き出しました。そして職員に公表しました。
現在はIT、AI、DX等の技術革新が目覚ましく、それに応じて当初立案した経営目標から大きく外れる結果となる可能性もあり得ます。しかし、「目標を立てても成果・実績と連動しないから」といって、経営計画を立案しない理由とすることはとても危険です。目標と成果の乖離は損益計算書等の数値で表れるのは確かですが、言葉での定義、定性目標を立案しない理由とはならないと思うのです。
定性目標は「こういう会社にしたい」「事業をこのように進める」「お客様との関係性はこのやり方で築こう」など、社長ほか関係する全ての関係者の深層心理に大きく影響を与えるものなのです。一歩下がって、「数値目標は立案しなくても定性目標は立案すべきだ」と強調しておきたいと思います。
目標を立てたら、毎月、毎週、毎日、毎時、常に頭の片隅に「目標がある」という意識を持ち続けることが大切です。経営計画発表会で発表した後はお蔵入りというのでは、計画を立案した意味が全くありません。日々、気に止めておいて「計画が実践できているか否か」を自己チェックしていきましょう。定性目標を確実に日々の活動に落とし込んでいけば、経営実績が数値計画と大きく乖離することはないはずです。そもそも目標に順じて行う経営(継栄)は、「継続的な繁栄」を現実化、見える化していることを意味しているのですから。私はそのように信じて29年間、清成事務所を経営してきました。