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大阪高裁、「髪の色は黒色」の校則に違法性を認めず

 昨日、注目される判決が大阪高裁でありました。新聞等のメディァでご存知の方も多いと思います。大阪府立の高校に通学していた元女子生徒が、茶色の髪の毛を黒にしないという校則に違反したことにより不登校になったという事件です。争われた事件の詳細は分かりませんが、大阪高裁は一審判決を支持して、校則の違法性を認めなかったというのです。

 この事件を発端に、全国の小中学校でブラック校則の見直し運動が広がったようです。違法性云々については、どの法律(の条文)に違反するのか、違反状態を作り放置したいたのが故意か又は悪意か、被害者が受けた被害の程度等、裁判所では多方面から検討されたのだろうと思います。

 話は変わりますが「下着の色は白でないといけない」という校則が多くの小中高にあると聞きます。この校則は感覚的におかしいと感じませんか。この校則を作成した時分では、生徒の家庭の所得格差等により、生徒間に差別意識が醸成されないように学校は配慮したのでしょうか。また生徒に心理的かつ金銭的な負担を強いるリスクを避けたかったのでしょうか。作成当事者がいない現在は分りません。しかし在籍している学校長や教師達は何の違和感を感じていないのでしょうか。この方が遙かに怖い話です。

 今回の判決は頭髪の色についてですが、学校側は何故髪色は黒でないといけないと判断したのでしょうか。日本国民であっても、二世や三世等と多民族との混血の生徒もいるはずです。経済界ではダイバーシティが叫ばれ、従業員の多様性が会社に良い影響をもたらすという考え方が多勢を占めています。遺伝的に黒毛ではなく茶髪や白髪の生徒にいるに違いありません。生徒の個性を尊重するのではなく、高校側の学校運営のやり易さを優先する姿勢か問題とするべきだと思うのです。

 今回の判決を学校はOKとせずに、生徒側目線で校則の全面的な改定に向けて行動を起こして欲しいと思います。時代の経過と共に、日本社会での常識、社会的規範も緩やかに変化しています。「昔は・・・」ではなく「今の時代では・・・」という発想で、ブラック校則と呼ばれない校則を作り上げて欲しいものです。

 この判決事例は、会社経営にも応用が利くと考えます。社員の仕事観は大きく変化しています。経営者や上司が持つ仕事観も大事にしつつ、若い社員の仕事観にも配慮した上で、適時に社内ルールの見直しをして欲しいものです。