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世界的に経済成長失速懸念、その中で財務省事務次官による雑誌投稿文が話題に

 めっきり朝夕が涼しくなってきました。日中はまだ夏日が続いていますが、天気予報によれば来週以降秋らしい気温になってきそうです。ところでここ数日、気になる経済情報が続々と発表されています。このままだと、コロナ感染者数が減少し、少し楽観的な気運になりつつ日本経済が冷水を浴びるのではないかと心配です。

 米国の消費者物価が連続して5%以上上昇しています。日本は日銀が掲げる2%の物価上昇率に届かないと悩んでいますが、米国は毎月5%以上上がってきています。インフレ懸念が高まっています。ガソリン価格の高騰も気になります。世界的に化石燃料の使用禁止気運が高まっているところに、産油国の協調減産とコロナ沈静後の経済成長への期待から、原油価格が上昇し続けています。これに悪い円安が拍車をかけています。円安は輸入物価の引き上げ効果を出してしまいます。

 世界で唯一と言っていいほど、比較的好調に推移していました中国経済も失速懸念が高まってきました。不動産大手の恒大の債務不履行問題が全世界的に波及しています。デフォルトすると33兆円もの社債を抱えていますので、倒産という文字がちらつき始めます。この恒大を始めとする不動産会社の経営不安もグローズUPされています。株価指数も急落です。生産者物価指数も10%以上上昇したとか。これらは輸出価格上昇へのトリガーとなります。輸入国では輸入商品の価格の上昇圧力がかかります。

 このように、一挙に吹き出してきた世界経済の減速懸念に対し、岸田内閣がどのような対応策を打ち出すのかを注目したいところです。

 その中で、財務省の事務次官が雑誌に投稿した記事が政界や財界で話題となっています。投稿文の詳細は分かりませんが、政府与党や野党が総選挙用に打ち出しているバラハキ政策を痛烈に批判しているようなのです。プライマリーバランス均衡の達成年を先送りつつつ、コロナ対策用に定額給付金を政策にすり込むなど、「そんなお金はどこにあるの?」と訴えているらしいのです。

 「入りを量りて出ずるを為す」という言葉があります。「支出は収入の状況を考えてしなさい」ということです。収入が100しかないのに、110の支出を続けて行けば、赤字累積となってしまいます。足りない10をどこかから補充しなければなりません。借金をするか、また預貯金の取り崩しです。このような状態が長く続くことはありえません。

 通貨発行権は国が持っています。よって赤字国債を発行し続けても日銀が引き受けてくれるなら安泰だと思っているのでしょうか。今一度、「入りを量りて出ずるを為す」という言葉を政治家は理解して欲しいものです。企業経営者では当たり前の格言なのですから...。