「女性社長比率、過去最高の8.1%」という見出しで、8月18日付日経MJに記事が配信されていました。過去最高という頭書きがありますが、8.1%という数値は決して高いようには感じません。世の中には男女の性別があり、また男女共同参画社会基本法の施行等で女性の社会進出を促そうとしている割には、「たったの8.1%」という水準なのですから。
この記事によれば、社長就任の経緯では「同族承継」が約半数を占めているようです。社長の平均年齢は63.2歳で男性社長の60.7歳と比較して、2.5歳高くなっています。このような情報から考えると、夫や兄弟等が経営していた会社を、相続等の理由により経営を引き継いだという姿が浮かび上がってきそうです。
視点を変えてみましょう。男女共同参画云々等の法律により、大手企業では女性管理職の割合を30%以上にするよう求められています。管理職としての資質と能力があれば問題はありませんが、無理に数値合せだけをしてしまうとビジネスフローに障害や停滞を生じかねません。女性社員の能力開発等を怠ってきた会社の姿勢そのものに問題があるのは明白です。しかし現実問題として対応に右往左往したという事実がありました。
ところで世界全体では政治や社会生活、企業活動のあらゆる場面で女性の進出が著しいのです。しかし我が国では「笛吹けども踊らず」で女性の進出は遅れに遅れています。先進諸国ではクオーター制を法律等により導入しています。北欧諸国では女性の割合を半数まで引き上げなさいという法律まで作っているようです。既に一歩先を行っている国でも、更に法律で強制的に女性活用を進めようとしています。
北欧諸国等に右に倣えではないですが、女性の有効活用を積極的に考える時期に差し掛かっています。同業他社より一日、一時間でも早く着手すれば、優秀な女性社員が入社しやすくなります。また不本意な状況下での退職を防ぐこともできます。経営者には「新しいお酒は新しい革袋に漏れ」という格言が示すように、旧来の考え方を捨て、新しい発想で女性の活用を進めていって欲しいものです。