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路線価が発表、全国で△0.5%、大分県内で△0.1%

 昨日7月1日に路線価が発表されました。路線価は国税庁が発表する毎年1月1日現在の土地の価格です。1㎡当りの単価で千円単位で表示されています。主要道路に立地する商業地や住宅地等の価格であり、大分県全域は熊本国税局のHP等にて公表されています。

 今年の評価は全国ベースでは前年比で0.5%のダウン、大分県は0.1%のダウンだったと発表されました。大分市のJR大分駅北口ロータリーが大分県内の最高値を示しています。同地は駅周辺の開発が順調に進んだことから、前年比で1.9%の上昇となったようです。但し、昨年来の新型コロナウイルスの影響もあり、上昇率は鈍化しています。

 路線価は一般的に不動産取引市場で形成される時価に対し、約80%相当額とされています。よって、自分の自宅等の時価を調べたいときは、最初に熊本国税局のHPから当該路線価図をダウンロードし、㎡単価を確認した上で土地の面積を乗じて土地の価格を試算します。この試算価格を0.8で割り戻すと時価が概ね算出できます。なお、土地が不整形であったり、奥長であったり、災害危険地域等に指定されていると一定率の補正(減算)をする必要があります。よって、路線価から導き出した価格はあくまで参考価格として下さい。

 ところで、公的機関が公表している土地の価格には4種類あります。最初は前述の路線価で国税庁が所轄官庁です。時価の80%を目安としています。2つ目は公示価格です。毎年1月1月に国交省土地鑑定委員会が公表する標準地の価格を言います。時価とほぼ同額とされています。3つ目は基準地価格です。毎年都道府県が7月1日時点の時価を公表しています。調査地点は公示価格の標準地と一部は重なっていますが、公示価格を補う意味で実施されており、調査地点は公示価格よりも多くなっています。公示価格と基準地価格の評価と価格設定には、国家資格者である不動産鑑定士が携わっています。

 4つ目で最後の価格は、固定資産税評価額です。3年に一回市町村が土地の評価替えを行っています。固定資産税の納税額を計算する基礎となる価額です。1月1日時点で改定するのですが、評価の対象となるのは前年1月1日現在の価格となっています。概ね時価の70%を目安としています。このように、土地の時価を査定、推定するのに都合の良い公的価格は4種類あるのです。相互に影響を与えながら価格評価をしているので,時価の推定値には大きな差異はないように思います。

 私も何件か不動産取引をしてきたので、上記4種類の土地評価が気になりましたが、商業ベースではまた別の視点で土地の価格が決まっていることが多いものです。例えば、近隣の土地取引の事例を参考にするという具合です。この手法は取引事例法と言います。またその土地の活用・利用度の高低を評価の軸とする方法もあります。地代が高くとれる土地であれば、その土地の評価は高くなりがちです。土地の収益に着目した価格設定法です。最後に、その土地を取得しまた宅地造成等をした費用を基づく価格の査定方法があります。「これだけのコストがかかっているから、それ以上の売値でないと売却しない」というものです。これは原価法と呼ばれるものです。

 このように土地の価格査定には様々なアプローチあり、単純化することはできません。もし、相続関連や相続以外の目的で、親や自分の土地や建物等の価格について確認したいという希望があれば、当職へお尋ねください。当職は1級ファイナンシャルプランニング技能士の資格を保有し、俗にファイナンシャルプランナー(FP)と呼ばれる仕事をしています。ご相談に乗ることが可能です。お気軽にお声をお掛け下さい。