60歳を超えた頃から、急に視力や聴力が衰えてきました。老化に伴う自然現象なので、仕方ないのですが、少しずつ仕事にも影響が出てきました。今日のコラムはこの老化現象についてです。
人には5感があります。視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚の5つです。触覚以外は全て顔、頭に付いています。これは神様、仏様のいたずらなのかも知れませんね。第六感と言われることがありますが、この5感をフルに活用したところにある超感覚と言えるでしょうか。メタ認知、メタ5感と表現しても良いと思います。
さてこの5感のうち、私が生業としているコンサルタント業で必要な感覚はなんだと思いますか。先ずは、視覚でしょう。社長らを相手に話しているとき、相手の表情を読み取らなくてはなりません。どのような表情をしているかを感じ取ることで、説明の仕方を変えたり、会話の要点を順次変えていくのです。講演だと資料を確認したり、また聴衆の様子を観察することが求められます。視力の衰えは、これらの観察力の低下を招いてしまいます。
次に、聴覚でしょうか。相手の言う事をしっかりと聞き取り、それに対して適切な回答をしなければなりません。これが出来ないと良質なコミュニケーションは成立しません。意思疎通が不調だと、コンサルティングや講演をしている時間の生産性は落ちてしまいます。視覚と同じくらいに聴覚もコンサルタントにはとても重要な感覚なのです。
この聴覚能力が本当に衰えてきました。「済みません。もう一度おっしゃって下さい」とお願いすることもしばしばです。相手が少人数でかつ私との距離が近ければ、聞き漏らすことはないのですが、この逆だと本当に難儀します。人数が多い、私からの距離が遠い、そしてマスクごしで話すので余計に聞きづらい。集中して聴き取ろうとしても「うっ」という場面もままあります。前後の言葉を繋げて「たぶん、こういうことを言っているのだろう」と推測する場面も多々あるくらいです。
3つめは5感に含まれてはいないものの、味覚と関係する「くち」も重要です。というのも、視覚を使って相手の様子を窺い、聴覚にて相手の主張を理解した後は、私が口を使って発言する番です。今のところ、まだしっかりと喋れているようで、相手から「聴きづらい」というメッセージを戴いていません。しかし、これもそのうちに「言語明瞭意味不明」とならないように注意しなければなりません。
色々と綴ってきましたが、両親からもらい私が育ててきた5感、感覚器官の衰えは仕方ないとしても、コンサルタント業を続けていく限り、お客様に不快な念を与えない様に努力していこうと思う今日この頃です。