日本経済新聞の4月27日付朝刊に[高速道、渋滞緩和へ変動料金制 首都圏などで国交省検討]という見出しが掲載されていました。高速道路にもダイナミック・プライシングを導入しようという試みです。
ダイナミック・プライシングとは、商品やサービスの価格を需要と供給の状況に合わせて変動させる価格戦略のことです「動的価格設定」「変動料金制」「価格変動制」とも言われています。少し前に話題になったのですが、プロ野球球団の横浜ベイスターズが導入して入場者数を増やし、入場料収入が急伸したという報道がありました。
この価格戦略は、サービス業では昔から採用されていました。例えば、宿泊業や航空業界などです。レジャー需要が高まると供給量は一定ですので、価格を引き上げて需要量を減らします。またレジャー熱が下がる季節には、価格を合理的に引き下げて需要を喚起し、一定量の収入を上げようと試みます。
ダイナミック・プライシングは、この価格変動戦略を季節や月単位ではなく、週や日、そして特定時間帯などより小まめに価格調整をしようというものだと言えます。国交省が思案中だという首都高でのダイナミック・プライシングは時間帯別の渋滞状況を分析して、通行料金の変動を行い、もって通行量のコントロールをしようというものです。
ダイナミック・プライシングは、需要と供給とのアンバランスが発生する業種や業界であれば、価格調整機能を活用して需給バランスをとることが可能です。自社が事業を行っている業界でこの価格戦略が採用できるか否かを検討してみるのも良いでしょう。