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春の使者に思う

 春到来の使者は幾つかあります。一番うれしいのは、全国各地から届く桜前線の便りでしょうか。そして、受験、卒業、進学等の話題でしょうか。またまた、社会人一年となる記念すべき入社式でしょうか。このような話題は、一抹の寂しさを伴う一方で、新たな門出や出発を祝福する兆しでもあります。

 嫌な使者もあります。代表的なのは花粉症でしょうか。私は60歳を超えた頃から、花粉症の症状が少し緩和されてきました。「これは良かった」と一瞬思ったのですが、「いや、これは体の抗体反応が衰えてきたことなので良くないことだ」と考えを切り替えました。花粉症は過激なアレルギー症状です。鼻等から入ってきた花粉が、私たちの体にある免疫反応を過敏に反応し、目のかゆみや鼻水という症状を引き起こすのです。よって、症状が軽くなってきたということは、体の免疫反応が衰えてきたという証左にもなるわけです。

 ところが、今年は鼻水がたら~り、たら~りと出てきたのです。「何で、こんなに鼻水がでるんだろう?」と不思議に思いました。だって、ここ数年は花粉症が「治った!」と思っていたからです。「風邪か?、はたまたコロナに感染したか?」と思ったのです。鼻水の出方は、朝方は少しひどいのですが、10時以降から日中、夕がたにかけては止まります。「あっ、これは花粉症がひどくなったんだ」とガテンしたのです。この花粉症ももうじきお別れになりますが、今年は水のように流れ出る鼻水には悩まされました。

 ところで最近、空を見上げると少し靄がかかっています。お隣の中国では、10年来の黄砂の被害に遭っているようです。新聞等の報道によれば、日中でも数百メートル先しか見えず、飛行機の離発着にも影響が出てきているとのこと。小学校時代に習った唱歌に「朧月夜(おぼろつきよ)」がありました。これは黄砂の影響で月の光が霞んでいる情景を歌ったものらしいです。私は今でも時々口ずさみます。

 この黄砂は、春の使者として好ましくな使者の1つでしょう。私のように肺機能が高くないものにとっては、マスクをすることも少し苦しいで状態です。黄砂は東シナ海を超えて日本に到来し、また遠くハワイ沖まで飛散していくようです。黄砂は土地や海面に栄養分を運ぶというメリットもあるようですが、生活面では苦しい日々が続きます。

 最後は経済活動に戻って本稿を締めくくりたいと思います。東京都と近隣3県に発出されている緊急事態宣言は21日で終わります。と言いたいところですが、新規感染者数の動向からは、宣言解除を安直に行っていいものか、とても悩ましいものです。関東圏の経済活動は陰に陽に私たちが住む大分にも影響してきます。どんな事態になっても、事業を未来へと継続していく備えをしておく必要があるようです。