日経MJの読者は少ないかも知れません。同紙は日本経済新聞社が発刊している商業やサービス業、飲食業等々第3次産業をターゲットした新聞で週に三回発行されています。この日経MJの1月18日(月)号にとても興味をそそられる記事がありました。ズバリ「キッチン用品 収納しやすく」「まず『四角いフライパン』」という見出しで始まる記事です。
スタートアップ企業で勢いのある会社が、今回「キッチン用品」市場分野へ進出し、四角いプライパンを発売するというのです。18センチのもので2728円を想定しています。税込みだと3000円です。「フライパンって丸いと決まっているよ」と今までの考え方を捨てきれない私には、驚きの発想でした。単身者や学生がメーンターゲットです。
四角だから置きやすい。丸だと安定感がありませんし、吊り下げるなど場所をとります。「お湯を沸かす」「スープを作る」という時には四角いプライパンは便利です。フライパンを傾けて四角い四隅の1つから茶碗やコップへ注げばこぼれることはありません。丸いフライパンだったら、このような芸当は出来ないでしょう。
なぜこのような記事から今日のコメントを投稿しているか? 疑問に思われる読者もいるかも知れません。ここからが本題です。アイデア発想法に「カラーバス」というアプローチがあります。カラーは色で、バスは入浴のバスです。色を浴びるという意味が「カラーバス」に含まれています。
例えば、街を歩いて「赤いものはないかな?」と意識して周辺を眺めてみます。赤いポスト、赤い車、赤い歩道(レンガ)、赤い屋根、赤い服で統一した若い人等々。普段何気なく歩いていたのに、「何でこれが赤でないといけないのか」と疑問が湧いてきます。
郵便ポストは赤い。「こんなの決まっているじゃないか」と思うかも知れません。でも歴史を遡ってみると最初のポストの色は赤ではなく、黒だったようです。この黒のポストは1年で廃止されました。暗くなるとポストとして認識できなくなるからです。外国でも主流は赤色のようですが、青色などのポストがあります。「ポストの色は赤でないといけない」と決めつけてはいけないのです。
このように、ごく自然と当然と思っていることでも「なぜそうなったのか」と疑問を掘り下げていくと、「こういう物があったら楽しい!」と新しいアイデアが続々と湧いてくるようになります。そうして新製品や新役務を世の中に出し続けている会社が、成功していくのは確実です。「あの会社は面白い商品を作る」と興味が湧いてくるからです。この機会に「カラーバス」をやってみましょう!!