コロナ感染者が急増しています。昨日(1/6)の感染者は6000人となったとか。東京都と周辺3県には非常事態宣言が発出されます。感染者の発生確率が高い飲食店に限って制限を設けるという情報が出ていましたが、さてどのような宣言内容になったのでしょうか。と前置きした上で、少々気になる記事が本日(1/7)付の日本経済新聞に掲載されていました。「雇用調整助成金の財源、底をつく。1.7兆円の不足、20年末、臨時活用の積立金払底」というものです。
雇用調整助成金の財源は全額事業主の負担となっています。賃金総額に対して0.3%(3/1000)の負担を事業主に求めています。失業した時の備えである基本手当の財源は、労働者と事業主が1/2ずつ負担します。雇用調整助成金では労働者の負担はゼロで、全額を事業主が負担するというルールになっています。
1兆7000億円も財源が不足する理由は直ぐに分かります。コロナ禍で休業を命じた従業員に対する補填として多くの会社が支給申請をしているからです。当初は日額の上限が8330円でしたが、現在は15000円まで引き上げられました。更には雇用保険の被保険者ではない週20時間未満しか勤務しないアルバイト等にも支給することになった影響も大きいです。
①コロナ禍で支給対象者が超急増した。②支給額の上限が大幅に引き上げられた。③被保険者でない者まで支給対象が拡大された。このような3つの施策の反射効果で、これまで蓄財していた財源を使い果たし、また今年度の予算も費消し、結果として一般財源からの流用に至ったというのです。流用額が1兆7千億円という途方もない金額です。
日本経済新聞には「政府が財源を補填して欲しい」と語った財界人の記事が載っていました。経営トップとして保険料の引き上げは避けたいという思惑がありありです。このような論調を財界人トップは追放したいですね。日本国では1100兆円以上の負債を抱え、コロナ禍で税収も大きく落ち込んでいます。そのような国に「更なる追加をして欲しい」という乞食根性は多いに問題があると思うのです。
「現在の保険料率0.3%を大きく上げても良いです。この国難を乗り越えるには、私たち企業もその責任の一翼をしっかりと担います。それでも財源が不足するときは、全国民の皆様方にご負担をお願いしたいのです」。このような論理展開であれば、国民が理解し納得する可能性もあります。大企業は現預金を数百兆円規模でため込んでいます。にも拘わらず設備投資など積極策はとっていない。その上で、雇用保険の財源不足の為の料率引上げには反対で、不足する分は国にお願いしたいでは、モラルハザードになっているとしか言いようがありません。
業界人のトップであれば、私(会社)も負担する。大企業の料率を引き上げる一方で、中小零細企業は料率据え置きか又は引上げ率を低くして下さい。申し訳ありませんが貴方も負担して欲しい。他の財源がないか、リサーチしてみよう。この位の発言をして欲しいものです。今朝の日本経済新聞の記事を読んで憤りを感じたのは私だけだったでしょうか。