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トランプ大統領、コロナに感染

 米国のトランプ大統領が新型コロナウイルス感染症に罹患してしまいました。入院は3日間と短かったのですが、「コロナに罹った」という事実は全世界に驚きをもって報じられたと思います。米国大統領は世界最強の軍事力を持つ米国軍の最高指揮官です。核の発射命令の権限も持っています。コロナで誤った判断をされたとしたら...。そう考えるだけで心が凍り付きます。

 米国と反目する中国やロシアは内心喜んだかも知れません。11月3日が大統領選の投票日ですが、中国との貿易戦争、ロシアとの核軍縮交渉など、この投票日までは交渉が中断し休戦状態となること確実です。さらに今回のコロナ禍罹患。トランプ大統領のコロナ罹患で中国とロシアが漁夫の利をさらっていくのではないか。そのような構図が見えてきます。

 米国を一企業としてとらえた場合、大統領はCEO(最高経営責任者)に該当します。CEOが病気で倒れてしまったら、その企業の経営のかじ取り役がいなくなります。船に例えると船長が不在となるのですから、船は大海を彷徨う廃船の如くになるかも知れません。

 どんな組織でもトップは健全でなければなりません。第一に精神が健全であること。第二に身体が健全であること。この精神と身体の健全性はトップにとって必須の条件です。第一に上げた精神の健全性、これは身体の健全性よりも優位にあると言わなくてはなりません。正常な経営判断が企業を安定成長へ向けさせます。精神が病んでしまうと正常な判断ができません。

 トランプ大統領のコロナ罹患は米国の正常の進路を誤せる可能性をはらんでいます。「そもそも独断専行、唯我独尊型のトランプ大統領の存在そのものがリスクがある」という反論があるかも知れません。そうは言っても、選挙で選ばれた大統領です。酷評するマスコミの主張を鵜呑みにはできません。それはさておき、「組織の長は常に精神と肉体ともに健全でなければならない」という不文律をあらためて認識した次第です。