九州に梅雨の大雨が降り続いています。熊本県では死者が44名を超えたとの報道がなされています。地政学上、台風や地震の災害を受け易いのは分かりますが、これと同じくらい梅雨末期の大水害に見舞われるのは歯がゆい気持ちで一杯です。
地球温暖化が叫ばれて久しいです。しかし日本国内の取組みは海外と比較して見劣りするとしか言えない状況です。風力や水力、太陽光、地熱、バイオマスなどの再生可能な自然エネルギーを活用した発電。この分野での発電量は環境先進地域である欧州から大きく引き離されています。先日も古い設備を持つ火力発電所100基を廃止するするという報道がありました。しかしこの100基廃止のゴールは2030年(令和12年)というのですから、悠長な話ではありませんか。一挙に全廃するということはできないものでしょうか。大気中にCO2が排出され続け、その影響で「数十年に一度(!)という大水害に毎年遭っている」という事実。政府や国会、企業経営者はしっかりと認識して欲しいものです。
以前、あるCDを車中で聴いていたところ、「水力発電用に転用されていないダムが多い」という事実を技術者が語っていました。ダムには「発電用や洪水防止等の用途別」「ダムの貯水量上限を相当下回る貯水計画」など、ダム運用にはいくつかの制限があるようです。洪水防止などの用途制限を掛ける意味があるのでしょうが、ダムから落下している水エネルギーは全国では相当量あるはずです。落水の下にタービンを置けば、多少の発電量は確保できるでしょう。1つのダムから得られる発電量は少なくても、全国のダム総数3091個を集めれば膨大な発電量となること間違いありません。ちなみに高さ15M以上あるものをダムというそうです。
大型のダム建設の主体は国土交通省でしょう。ここは省益や都道府県益ではなく、国益を第一に考えて「日本に少ししかない天然資源である河川(水力)エネルギーの最大限活用」を切に願いたいものです。そうすることで、現在総発電量に占める水力の割合が7.5%程度であるところ、10%超も可能ではないかと思うのです。水力は365日・24時間稼働します。
自然エネルギーというは太陽光ですが、太陽光発電は年々増えて現在では総発電量の8%弱まで占めるようになつてきました。しかし、太陽光の発電稼働率は約3割強です。夜間には発電ができません。日中でも雨の時や曇りの時の発電量は少ないです。また日本の山林や空き地にドーンと据えられている太陽光パネルは景観を害します。自然エネルギーの活用は水力に軍配が上がります。
是非、日本各地にあるダムの全てを発電用に転換して欲しいものです。そうすれば、全地球人の願いでもある地球温暖化防止へ大きく貢献できると思うのです。