COVID-19の災禍が徐々に落ち着いてきました。しかし第2波、第3波への備えはしっかりと準備をしておく必要があります。TVを観ると都市圏では通勤・通学で朝夕の電車が込み合っているようです。3密を避けようとしつつも、会社は一定の頻度で本社等への出勤を求めています。そこで、最近はテレワークに注目が集まってきました。今日の投稿ではこのテレワークについて、その功罪を考えみることにします。
最初にテレワークの「功(プラス面)」について考えてみます。①COVID-19関連では3密を避けることができるということでしょう。まだ正体が見えない未知のウイルスに関し私達は不安を増幅しています。密接・密閉・密集の3密を遮断することが罹患しない最善の方策とすれば、テレワークは最上位の選択肢に位置します。②生産性の向上にも寄与するでしょう。通勤だけに何時間もかけていては、体力が消耗し良い仕事ができるとは限りません。無用な会議も排除されるでしょう。客先への営業活動も直行直帰で効率があがります。③肉体的負荷の軽減も大きいです。精神疾患で労災認定を受ける人が増えています。会社や工場・事務所での労働時間も肉体的にはきついですが、通勤や客先営業に要する時間が過重になると体力を回復する睡眠が十分に確保できなくなります。④5G等のネット環境の整備も、社員全員が集合して仕事の進捗管理をする必要性を低くしつつあります。TV会議システムも今回のCOVID-19騒動で急速に普及してきました。以上4項目以上にも沢山の「功(プラス面)」があるに違いありません。
次にテレワークの「罪(マイナス面)」について考えてみます。①社員の管理面では管理職が部下のマネジメントが正常にできるかという問題があります。何しろこれまでは、毎日顔を合わせて指示命令を出していたのが、指示命令をする相手が面前にいないのです。新しいマネジメント手法の開発が必要でしょう。②テレワークをするにも通信費や電気代等の費用が発生します。その費用は誰が負担すべきでしょうか。また客先等に紙ベースで提案することもあるかも知れません。コピー代は誰が支出するのでしょうか。③1人で仕事をすることの心理的影響もあります。私はこれが一番大きい「罪(マイナス面)」だと思います。
チームで仕事をすることで、品質の良い仕事ができます。「相談する相手がいない」「仕事を教えて欲しい(OJT)」「上司からの一方的な指示命令だけを受ける」など、個々の社員が孤立する可能性があります。人は感情の動物です。生産性向上に関しても、「1人で集中して仕事をする方が生産性が上がる」という場面と、「多数の同僚や上司との自由な意見交換を通じてアイデアが生まれ、それが仕事へモチベートされる」という場面があるはずです。
自分以外の他者の影響を受けることで、チーム一体感が醸成されます。自由闊達な意見交換で奇抜で面白い発想が生まれます。同僚との会話を耳にすることで仕事に対する面白みが湧いてきます。上司の適切なOJTにより自己成長への体験を得ることができます。まあ、ざっと上げてもこの位は「職場で多数の社員が集まって仕事をする」ことのメリットを指摘することができます。
テレワークも推進べきです。しかし、テレワークだけで全てを完結しようという動きは、大きな反動を将来にもたらすかも知れません。テレワークと非テレワークの比率をどの程度にしていくのか、会社の生産性向上、働き方改革の推進、そして社員(とその家族)の幸福追求という側面から、じっくりと考えてみる必要があるように思います。