春の甲子園が中止となりました。出場校の選手達は残念な気持ちで一杯でしょう。「夏があるよ」と激励をしたいですね。しかし、プロ野球やJリーグなどのプロスポーツの開幕順延や中止が相次ぐ中で、春の甲子園だけは特別にという状況は許されないでしょう。しかも、同じ高校生が出場する他の競技では早々と中止を宣言しているのに遅きに失した決断だと言えなくはありません。
ここで問題となるのが、「何故、開催中止という判断をここまで引き延ばしたか」ということです。大会関係者は「新型コロナウイルスの感染が沈静化するどころか拡大する中で、球児の健康を気遣った」と説明をします。その1週間前は無観客での開催を主張していた大会関係者の発言とは思えません。無観客であっても、グランドでプレーする球児達には熱戦による接触プレーがあるはずだからです。
大会関係者の「挙行したい」という本音がここまで判断を鈍らせたのです。春夏の甲子園(高校野球)は国民的行事であるという自惚れがあったのでしょう。無観客から中止へ、この期間当の球児達は心揺れたと思います。
悪い判断は先にすべきです。悪い判断を後までずらすと事態が悪化するのが世の常です。会社経営もそうです。「じきに良くなる」という淡い期待をもって、不振事業を延命させることがあります。不振事業を思い切って処理をし、次の挽回策を練るという方が求心力は高まります。今回の春の甲子園の開催又は中止のドタバタ劇をみて、事業の撤退戦略について考えた私です。