今日のコラムを書き綴る前に、歳末恒例の今年の新語・流行語大賞の発表が12月2日にありました。年間大賞は「ONE-TEAM」でした。ラクビーW杯での日本チームの活躍を象徴した言葉です。トップ10に入った残り9語は次のとおりです。計画運休、軽減税率、スマイリングシンデレラ/しぶこ、タピる、#kuToo、〇〇ペイ、免許返納、闇営業、令和。。貴方はどの位の認識率だったでしょうか??? 私は分からない新語・流行語が3つありました。
さて本題です。私の過去のコラムで何回か出演(!)していました在職老齢年金の話です。政府は65歳以上になっても元気に働いてもらいたいと年金支給の問題に取り組んできました。給与所得者は65歳に到達すると厚生年金の受給権を得ることができます。しかし現状の制度では、厚生年金額/月と給与/月の合計が47万円超となると、年金が減額される仕組みとなっています。政府は47万円の限度額を当初案では62万円としました。しかし高所得者優遇(?)との批判を受け51万円に引き下げ、最終的には現状水準で落ち着いたのです。
ところで今日の日経新聞に、「年金支給額を毎年改訂する」という法案を来年の通常国会に提出する予定との記事がありました。現行制度では、65歳以降も給与所得者が退職するまでは65歳到達時点での年金が支給され、退職した時に年金額の改訂をすることになっています。よって、退職時以降の年金額は在職時の報酬が加算されますので65歳到達時より必ず上積みされます。
政府は退職時の増額改訂では65歳超の高齢者の就労意欲を高めることはできないと判断したのでしょうか、毎年(1年毎)、支給額の改訂を行う仕組みに変更しようと考えたようです。「先年の増額より、今年の増額」と考えたのでしょう。これを在職定時改訂と呼ぶのだそうです。高齢就業者にとってはちょっぴり嬉しい話です。
しかしこのような仕組みに変えたとしても、根本的な解決に至っていません。国力を計る指標の一つである国内総生産(GDP)は、”(資本+ひと)×全要素生産性”の計算式で表わすことができます。”(資本+ひと)”は経営資源を意味します。「ひと」という経営資源は急速な少子高齢化で生産人口(15歳以上65歳未満)が恐るべきスピードで減少していきます。よって、「働くひと」の確保が日本国において絶対命題なのです。したがって、老齢厚生年金制度改革の本丸(又はその出城)は47万円とする支給停止基準額の引上げにあると清成は思うのです。皆さん方の考えは如何でしょうか?