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APUの出口治明学長が「2%-20%-2時間」

 私は中小企業診断士をメーン士業として平成5年11月に開業しました。同年3月末に15年間勤めていた会社を退職し、異分野での創業(創業時は行政書士)でした。中小企業診断士は平成7年4月の登録です。中小企業診断士が士業として発足したのは今から遡る事、昭和23年11月4日でした。最初は公務員だけの資格でしたが、昭和30年代になって民間に開放されました。

 4年前に東京都に本部を置く中小企業診断協会が診断士の日を11月4日と定めました。この日を前後して大分県協会を含め全国で記念講演等のイベントが開催されています。

 令和元年の今年は、大分県協会は10月31日(木)に立命館アジア太平洋大学(APU)学長の出口治明氏の講演会を開催しました。講演で出口学長は、「2%-20%-2時間」という面白いキーワードを発しました。

 出口学長はこう語ります。「人間の頭の重量は全体の僅か2%です。しかし、エネルギー消費量は20%と多く使っていまます。それだけ、頭脳は大変なエネルギーを使っているために疲れやすく、集中力が続くのは2時間が限度です。2時間経過した後は休憩・休息をとって頭をクールダウンすることが必要なのです」。この語りは日本人は働き過ぎで労働時間の削減が必要という流れから出たものでした。

 働き方改革法令が今年4月1日から本格的に施行され、5年間の経過措置を経た上で、全産業・全従業員に適用されていきます。経営者も従業員も自ら働き方改革に対して、前向きに取り組んで行くことが求められます。「できない」ではなく「出来るように仕事の仕組みを変える」ことが必要なのです。

 「できない理由を探す」ことはやめましょう。仕事の棚卸をやり、日々「どのような働き方であるべきか」と疑問を持ち、押し付けでない自社独自の働き方改革を全社挙げて取り組んで行きましょう。出口学長のお話から、この気持ちを強くした私でした。