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NHKの「逆転人生」(毎週月曜日総合22時)に観る人生ドラマ(実話)

  NHK総合の月曜日の22時台に[逆転人生]という番組があります。現在は成功しているものの失敗続きの人生をあることを契機に逆転させたという人生ドラマです。全てが実話です。9月13日(金)の日経MJにも大々的に取り上げられていました。MCの1人は南海キャンディーズの山里亮太です。

 逆転人生を体験した主人公は多種多彩です。中でも私が興味深く観たのが、①IT業界の巨人アップルを相手に特許侵害裁判を戦った貧乏発明家、②ネット上で根拠のない誹謗中傷を受けネット炎上で公私共に追い込まれた弁護士、③法務省や行政そして暴力団にに屈しない武闘派と呼ばれる全盲の弁護士、の3の実話です。その中から③についてお話したいと思います。

 99日の登場人物は全盲の弁護士竹下義樹さん。中学生の時に全盲となりあん摩の資格者として仕事をしていました。最初の事件簿は治療で訪問した先で自分の名前が呼ばれなかったこと。自分の名前がよばれないことに強いショックを受けたというのです。そこで、「弁護士は儲かってかっこいい」という不純(笑)な目的で一念発起し龍谷大学法学部へ進学。これだけでも凄い!

 ここでびっくりした第2の事件が発生。なんと竹下さんは弁護士になる為には司法試験に合格しなければならないというのを法学部に進学してから知ったというのです(笑)。法務省に受験させてくれと依頼するものの最初は門前払い。法務省のキャリア官僚は法令では全盲者に受験資格がないと書いていないことは知りつつも、まさか受験するとは考えていなかったからでしょう。

 幾度かの抗議を経てやがて点字受験が認められます。しかし一般受験者と同じ試験時間内でという条件付きです。点字を読むのに時間がかかり不合格。点字を読むのは健常者の3倍位かかるのだそうです。色々な障害を支援してくれる人々の支えもあって1つひとつ解決して行ったのです。放映されてはいなかったまですが、現在は試験時間が拡大されたのでしょう。苦節9回目の受験で見事合格したのです。まだ司法試験の合格者数が500人の時の快挙です。

 その後がまた凄いのです。最初は「弁護士は儲かってかっこいい」の不純な(笑)だった目的が「弱者救済のために働く」に切り替わった竹下弁護士。生活保護に関係して行政を訴える。暴力団山口組の組長を訴える弁護団長を務めるなど獅子奮迅の大活躍。現在では武闘派として知られています。現在でも百数十件の案件を抱えているという。

 人は自分で自分の限界を作ってはいけないのですね。信じてやり続けば絶対に夢は実現できる。50分の放映でしたが、ぐぐっと引き込まれた50分でした。