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中小企業診断士は中小企業の総合医

 巷に情報が溢れています。ひと昔前は「情報は自分から取っていかなければ取れない」と言われていました。しかしネット社会の現代では、「情報は向こうから飛び込んでくる」ようになりました。飛び込んでくる情報は玉石混交ですが、いちいち情報の真偽を確かめることもできません。よって経営者には高い情報感度を持つことが必要な時代となりました。

 このような前置きから本題に入ります。TVでは”家庭の医学”が大流行りです。NHkや民放各社は「健康であるにはこのような食生活や住生活が必要」と次々と大量の情報を提供してきます。私はそのような番組を観ると「俺って長生きできるかな~」と不安心理に覆いつくされます。だから別のチャネルへスイッチです。

 先日ある番組で、喉が異常に乾き、6か月後には500mlのペットボトルを一日に20本飲み干すという男性の話が出ていました。1ヵ月弱でこれはおかしいと医者にかかったところ、ストレスから自律神経失調症と診断されたようです。この時のペットボトルは5本。更に3か月後に別の医院で診察を受けたところ、何も異常がないという結果です。この時のペットボトルは10本。

 苦しい日々を過ごした6か月後にかかった総合医で、血液検査や尿検査を再度行い、問診等を繰り返す中で原因が分かりました。脳下部にある体の水分量を適正に保つホルモンを分泌する器官に良性腫瘍ができ、ホルモンの分泌が減ったのが原因だったのです。これが分かったのは何と6ヶ月後なんですよ!

 さあ、寝ろうかという時間帯(22時以降)だったのですが、「この人大丈夫だったのか」と心配になって最後まで観てしまいました。

 6か月間の間、複数の医師(専門医)、歯科医師に相談をしてきたのに何故病気の原因が分からなかったのでしょうか。それは専門医らが所定の検査をし、その結果のみを診て病状を判断しようとしたからです。最後の総合医は症状からあらゆる病気因子を想定し、1つひとつ潰していったのです。

 私の職業は経営コンサルタントです。中小企業診断士をメーンに、特定社会保険労務士、行政書士、2級FP技能士などの知識をフルに活用し、これまでの業歴を経て得た経験値も経営支援には活かしています。中小企業診断士は企業経営者の総合医と標ぼうしています。私ももっと勉強して診察技術のスケールアップに努めていきたいと思いました。