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今年の最低賃金引上げ額は26円!

 国の最低賃金審議会が今年10月に予定されている最低賃金の目安を発表しました。大分県は26円の引上げで、最低賃金は788円となりそうです。参議院選挙で1000円、1500円と勇ましい引上げ額を主張した野党にとっては面白くない引き上げ額かも知れません。

 それでも26円の引上げは中小企業にとっては大きな痛手となりそうです。引き上げ率は3.4%(26円÷762円)に達します。月間に変換すると26円×173時間=4,498円です。ちなみに173時間は月平均の法定労働時間です。大分県の中小企業で正社員(正規労働者)の賃金引き上げ率が3%を超えた会社は皆無だと思います。人員確保のために政策的に引き上げざるを得なかったとしても、3%以上の引上げは実施した企業は極めて低いと思います。

 さて、最低賃金の引上げは社会的要請だとして経営者はこれに対応して行かなくてはなりません。私はこのブログで何度も主張してきましたが、当面の最低賃金として850円を覚悟しておいた方が良いでしょう。何故なら、大分県の最低賃金が850円になれば、全国加重平均の最低賃金が1000円に限りなく近づくからです。

 ちなみに2018年(平成30年度)の加重平均は874円でした。仮に大分県の最低賃金が850円になると加重平均の最低賃金は962円となります。東京等都市圏の引上げ額が地方圏のそれよりも高く、かつ労働者数も多いので970円になっているかも知れません。こうなるワンチャンス、一回の引上げで1000円に到達となります。このような引上げイメージを政府は持っているでしょう。

 経営者はそれに耐えなければなりません。労働時間のムダ取りに今すぐに着手して下さい。不採算事業の清算、切り離しを行って下さい。生産性を高める為のIT投資等を大胆に行って下さい。一人数役をこなせる多能工社員を多数輩出して下さい。打つべき手立ては沢山あります。あと必要なのは着手する意思の強さだけなのです。