「人の噂も七十五日」とはよく言ったものですね。今参議院通常選挙が行われていますが、野党は当初”老後資金2000万円問題”を与党攻撃の材料にしていました。ところが最近は風向きが変わってきたようで、”老後資金2000万円問題”は選挙の論点から少し外れてきているように思います。
という始まりで本稿が始まりましたが、7月14日付の日本経済新聞に「高齢者世帯平均2003万円-金融資産、北陸など上位。持ち家率・貯蓄性向影響-」という見出しの記事が掲載されていました。全国47都道府県の「世帯主が無職で65歳以上+2人以上世帯」の平均貯蓄の調査結果が載っていました。
1位は当然の如く東京都で2689万円、47位は沖縄県の660万円です。平均値は曲者です。仮に貯蓄0円が10人いたとしても2.5億円が1人いると、平均貯蓄額は(0円×10人+2.5億円)÷11人=2273万円/人となります。最も世帯数が多い層の貯蓄額を意味する”中央値”と併用して高齢世帯の貯蓄額の全体像を診ることも重要です。
それはさておき、上位10位以内に北陸の2県が食い込んでいることに注目です。石川県が2277万円で6位、富山県が2205万円で10位でした(ちなみに福井県は1967万円で19位)。記事はこう綴っています。「富山県は13年の住宅・土地統計調査での持ち家住宅率が79%で全国で最も高かった。福井県を含めた北陸3県は共働き世帯の割合も高い」。
大分県は1221万円で44位でした。九州のトップは佐賀県の30位・1631万円ですが、九州沖縄8県は30位以下と寂しい限りです。
こう綴ってきた本稿を締めくくりたいと思います。記事にもあるように「共働きの勧め」を提案したいと思います。当職事務所でも二人の主婦がパートとして勤務してもらっています。事務能力は高く本当に有難い存在です。女性、男性の性別に関係なく、「働くというのは素晴らしい」ことだと私は思っています。
「自分の時間を活かし、能力を提供してフィーを貰う」という労働は老若男女全員が出来ます。働き手が増えれば、経済活動が活発化し、企業所得や家計収入も増えます。家計収入が増えれば、家族団らんの機会も増えることでしょう。「共働きの勧め」、私は声を大きくして世間に発信していきたいと思います。