私の情報源の一つは日経MJです。1月28日のレポートに[安く手軽に脳ドック]というのがありました。竹内謙礼という方の連載レポート[顧客をキャッチ]での興味を引く記事でした。脳ドックの相場は4~5万円とのこと。その料金を税別で1万7500円と半額以下に抑えました。そして面白いのがこのビジネスの着想はIT企業楽天の元社員であったということです。医師法等の関連からこの事業主体のトップは医師のようです。が楽天の元社員2名はこの医療法人の事務局として脳ドッグ専門[メディカルチェックスタジオ]の運営をサポートしているのです。
連載レポート[顧客をキャッチ]によれば元楽天社員の一名は濱野斗百礼さん。濱野さんは運転手さんの脳血管疾患による事故の多さに気づき、費用や準備等に負担が余りかからないビジネスモデルを考えた次第。着替え不要でMRIの稼働率を上げ、検査自体は10分強で終了。トータルでも30程度で終わるようです。
昔、私が商店街診断に携わった時に言われていた言葉があります。商店街活性化には3つの組合せが必要という。一つは若者、もう一つは馬鹿者、最後はよそ者。この3つの「者」が商店街の活性化を促すというのです。
[メディカルチェックスタジオ]は脳ドッグという分野に切り込んでいます。多額な費用がかかり、検査する時間も必要です。医者サイドは「専門的分野なのでその程度の費用と時間はかかる」という認識でしょう。しかし、ここにイノベーション(革新)を起こす土壌があるのです。
「業界の常識は世間の非常識」とも言います。今回取り上げた事例は、その業界に揉まれていない「よそ者」が「そんな事はできない」という業界の常識を超えた「馬鹿者的発想を現実化させた」例と言えるでしょう。「自分はこの業界でビジネスする事はできない」と思い込むことは必要ないのです。どんな分野でもビジネスチャンスはある!という事実を私はまた知ることができました。