最近、パンの話題を見聞きすることが多いと思います。紹介されるパンの種類は違ってもパンへの熱い視線は変わらないのです。魅力的なパンは人を呼びます。テレビや雑誌などのメディアで頻繁にパンの特集が組まれ、行列できる人気店が話題になっています。これがパンブームなのでしょうか?
ブームとは一時的な流行のことですが、パンを取り巻くこうした動きは少なくとも20年近く続いているそうです。
総務省の2011年度の家計調査では、一般家庭におけるパンへの支出額が初めてコメへのそれを上回ってしまいました。これは当時大きなニュースとして取り上げられましたが、このデータにはコンビニエンスストアなどのお弁当やおにぎりに使用されているコメはカウントされていないそうです。
調査結果が表してしるのは、日本人がかつてのように家庭でコメを炊かなくなった、という事実であって、主食がパンに取って代わったわけではありません。ただ、家計のパンへの支出は近年、確かに増えているとみられるそうです。
日本人のパン食の原体験として無視できないのが、学校給食の存在です。戦後の食糧難の時代に始まった給食の記憶がどのようにせよ、現在の中高年のパン食率の高さに影響を及ぼしていることは間違いなさそうです。
コメの消費率が落ちていく近年、コメ文化の見直しも必要だと思いますが、手軽に美味しいパンに手が伸びてしまう今日この頃です。